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武尊 パニック障害、うつ病を公表 「このあとの人生が壊れてしまう」と前向きな休養を決断

[ 2022年6月27日 15:14 ]

会見中に寂しげに視線を遠くに向ける武尊
Photo By スポニチ

 今月19日に東京ドームで開催された格闘技イベント「THE MATCH2022」でRISE王者の那須川天心(23=TARGET/Cygames)に判定で敗れたK―1王者の武尊(30=SAGAMI―ONO KREST)が27日、東京都内のホテルで会見し、休養を表明した。

 戦い続けてきたダメージは体に蓄積され、これまで公表してこなかったものも含め、まさに満身創痍(そうい)。心身ともにリフレッシュな状態に戻すことが目的の「積極的休養」を選択した。

 武尊は「拳のケガはずっとあったんですけど、腰も数年前くらいから分離すべり症になってしまっていて、一時期運動もできなくなったり、寝ることもできないくらい痛みとか、しびれとか麻痺みたいな状態になったりしていて」と現在の体の状態を説明。拳のケガは1度手術するも、完治することはなかったといい、「腱の断裂をしていたんですけど、そこから腱が外れてしまっている状態で騙し騙しやってきたところもあった」と振り返り、膝の前十字靭帯、内側靭帯を損傷していたこともあわせて明かした。

 続けて、「公表するか悩んだんですけど、数年前から精神科の方に通わせていただいていてパニック障害とうつ病と診断されていて…」と告白。上手く付き合いながら過ごしていたものの、「今回の試合、そこで自分の心が耐えられるのかなっていう不安もあったし、知らず知らずのうちに自分の心が壊れて行っているのを感じていて…。今回の試合前に体調が悪くなった時期があってその時に、いまの格闘家としての人生じゃなくて、これからの人生を考えた時に、まずは一旦これを治さないとこのあとの人生が壊れてしまうなと思った」と心境を口にした。

 最後には「公表する理由としても、同じ病気とかケガで苦しんでいる人がいっぱいいると思うんで、そういう人たちに克服して復活する姿を見せることが1個目の戦い。まずはその戦いにしっかり勝って、また元気な姿を見せられるように必ず復活したいと思う」と力強く話した。

 鳥取県米子市出身の武尊は2011年9月にプロデビュー。13年5月にKrush58キロ級王者となった。15年4月にK―1ワールドGPスーパーバンタム級王座を獲得すると、16年11月にフェザー級王座、18年3月にスーパーフェザー級王座を獲得し、史上初の3階級制覇を達成するなどエースとしてK―1をけん引してきた。

 那須川との“世紀の一戦”では1回にダウンを奪われ、0―5で判定負け。8年越しで実現した夢の舞台、集大成と位置付けた一戦で約10年ぶりの2敗目を喫した。試合前には、負けたら引退することを示唆する発言を繰り返していたが、試合から4日後の23日には自身のSNSで「たくさんの人が一緒に泣いてくれて生きる希望を貰いました」と、自分の想像とは違う反響に心境の変化があったことを明かし、「心と体を治してまた前を向いて進みます」と記していた。

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2022年6月27日のニュース