京口相手パラス 恩人パッキャオからアドバイス受けた「頭を使え」
ボクシングのIBF世界ミニマム級タイトルマッチ(20日、東京・大田区総合体育館)で王者・京口紘人(24=ワタナベ)に挑戦するIBF世界ライトフライ級10位のビンス・パラス(19=フィリピン)が17日、東京都品川区のワタナベジムで練習を公開した。ロープ跳び、シャドーボクシングを入念に行い、トレーナー相手のミット打ちではKOパンチのほとんどを占める強烈な左ボディーを披露。顔つきはあどけないが、上半身裸になると腹筋は6つに割れており、鍛えている様子がうかがえた。
13戦全勝11KOのパラスは英語が上手ではなく、会見では隣のベニー・デラペナ・トレーナーから教わりながら答えた。「大きなチャンスなので幸せ。エキサイティングな試合になる。得意なパンチは右ストレート」などと話し、気になる減量については「あと3ポンド(1・3キロ)」と返答。家が近所で、幼少時に父親の医療費を払っただけでなく、自身がボクシングに取り組むための経費も負担してくれたという元6階級制覇王者マニー・パッキャオからアドバイスを受けており、「フットワークや耐久性のほか、“勇敢に戦え”“頭を使え”と言われた」と明かした。
今回の対戦は京口を指導する井上孝志トレーナーとパラスのデラペナ・トレーナーが友人だったことから実現した。2人は大阪帝拳ジムで約半年間、一緒に指導していたそうで、井上トレーナーが同ジムを辞める際に世界戦のセコンドを代わりに引き受けることを申し出たという。だが、直前に違うトレーナーがセコンドに就くことが決まり「それなら俺も辞める」と怒って帰国。井上トレーナーが合宿などでフィリピンを訪れる際は必ず会っているという。同トレーナーは「ベニーがどういう練習をさせているか予想できるので手の内も分かる」と話したが、来日後は一緒に食材を購入したり、汗出し用のワセリンを提供するなど、対戦相手ながら積極的にサポート。「こんな形で再会が実現するとは思わなかった。フェアに戦いたいので」と説明した。
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