2年10カ月ぶり復帰戦へ 粟生隆寛「ここまでやってきたことを無駄にしたくなかった」
3月1日に東京・両国国技館で2年10カ月ぶりの復帰戦に臨むことが決まったボクシング元世界2階級制覇王者の粟生隆寛(33=帝拳)が8日、東京・神楽坂の帝拳ジムで取材に応じた。「うれしいです。自分は何をやってるんだろうという時期もあったけど、今辞めたら後悔すると思ったし、ここまでやってきたことを無駄にしたくなかった」と話した。当日はダブル世界戦での前座で、12年10月にWBC世界スーパーフェザー級王座を奪われたガマリエル・ディアス(メキシコ)と62・0キロ契約8回戦を行う。
WBCフェザー級とWBCスーパーフェザー級の2階級を制した粟生は15年5月、WBOライト級で3階級制覇を狙ったが、レイムンド・ベルトラン(メキシコ)に2回TKO負け。しかし、前日計量で体重超過していたベルトランは試合後に薬物違反も発覚し、無効試合に変更された。同年11月にはディアスとの再戦が組まれたが、練習中に左足を負傷し、左足関節腓骨筋腱脱臼と診断されたため試合はキャンセル。その後はリングから遠ざかっていた。
16年3月に手術を受け、ジムからは引退勧告に近い言葉をかけられたという粟生は今年1月中旬に復帰戦を打診されたという。「今まで自分のためでしかなかったが、この2年半ぐらいでいろいろな人と知り合って、応援してくれる人のためにもう一度頑張りたいという気になった」と説明し、ディアスとの再戦決定に「ガマリエルが現役でいるのかも知らなかったが、12年のこともあるし、何としてもやりたかった相手。願ってもないというか、いい相手を組んでくれたと、もの凄く感謝している」と話した。今後の目標を問われると「自分がどのレベルにいるか、まだ分からない状態。3月が査定試合になると思う。筋肉をつけてライト級に上げるのか、スーパーフェザー級でもう一度やるのか、もう一度あの場所(世界戦)へ行ける、ベストなところを次の試合で決めようと思う」と説明したものの、「やるからには上(世界)を目指したい」と言い切った。
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