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村田「完全決着」エンダムとリマッチ、ボディーで削り終盤勝負

[ 2017年10月22日 05:30 ]

WBA世界ミドル級タイトルマッチ   王者アッサン・エンダム≪12回戦≫同級1位・村田諒太 ( 2017年10月22日    両国国技館 )

リミットの72・5キロで計量をパスした村田
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 トリプル世界戦の前日計量が21日に都内で行われ、出場6選手とも一発でパスした。5月に不可解な判定負けを喫したWBA世界ミドル級王者アッサン・エンダム(33=フランス)との再戦に臨む12年ロンドン五輪同級金メダリストの村田諒太(31=帝拳)は、終盤勝負を示唆。アウトボクシングが予想される相手をボディーで削って倒し、ミドル級では竹原慎二以来日本人2人目、日本の五輪メダリストとして史上初の世界王者を目指す。

 計量の間、村田の表情は険しかった。リミットの72・5キロでパスし、25秒間にらみ合ったエンダムと握手する際にやっと表情が緩んだ。「僕がひと回りデカい感じがした。(相手は)縦も横も大きさを感じなかった」。自信が口をついて出た。

 初戦はダウンを奪いながら倒しきれず、様子見に徹した初回など手数の少なさが最終的に判定に影響した。再戦では早めにエンジンをかけるが、戦略を大きく変えることはしない。「1回からガンガン行くことはない。不用意なパンチをもらわないように」と話し、「(前回と戦い方を)修正するのは終盤」とリスク覚悟で勝負に出る方針を示唆した。

 終盤勝負への鍵を握るのがボディーだ。帝拳ジムの浜田剛史代表はエンダムが600グラムも軽い71・9キロでパスしたのを受け、「計画的では。スピード重視の戦いをするのではないか」と予想。足を使う戦い方を徹底しそうな相手に対し、「動きを鈍らせるという意味でもボディーが大事」と指摘した。村田も前回は少なかった返しの左ボディーや右ボディーストレートを練習してきており、浜田代表は「積み重ねになる」と前半から体力を削る工夫が必要とした。

 海外ブックメーカーのオッズは村田の1・1倍に対しエンダムは4・5〜6・5倍。それでも村田は「注目度は上がったかもしれないが、実力が上がったわけじゃない」と冷静で、「やることはやった。あとは神のみぞ知る」と話した。ガードを固めてプレッシャーをかけ、最後は右で決める。「どっちにしても完全決着になる。3度目(の対戦)は絶対にない」。因縁を断ち切り、伝統のミドル級のベルトを腰に巻く。

 ▼エンダム 前回よりも余裕でパスできたので気持ち的に余裕がある。計量を終えた時点で試合は始まる。準備はできている。

 ≪ダイレクトリマッチ、●→○王者2人だけ≫村田とエンダムはWBAの指令で世界戦では基本的に禁じられているダイレクトリマッチ(直接の再戦)を戦う。ダイレクトリマッチ●→○で世界王者となった日本人選手は粟生隆寛(WBCフェザー級)と亀田大毅(WBAフライ級)の2人。粟生は12回にダウンを奪い大差の3―0判定、亀田大は反則で相手が減点2を受けるなど3―0判定。自身がダイレクトリマッチ、相手が試合を挟んだケースの●→○での世界王者には輪島功一(2回)と徳山昌守がいる。現役の村田と清水聡(大橋)を含めた日本人五輪メダリストのうち、世界戦に臨んだのは村田と64年東京五輪バンタム級金の桜井孝雄の2人。桜井は68年の世界初挑戦で判定負けした。

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