村田　勝ってマー君になれ！世界的プロモーターが米防衛戦計画

ＷＢＡ世界ミドル級タイトルマッチ   王者アッサン・エンダム≪１２回戦≫同級１位・村田諒太 （ 2017年10月22日    両国国技館 ）

＜トリプル世界戦調印式＞会見で笑顔を見せる村田（左）とエンダム（右）。中央はプロモーターのアラム氏
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　村田が本場でスターへの道を歩む。ＷＢＡ世界ミドル級タイトルマッチの調印式と会見が２０日に都内で開かれ、同級１位村田諒太（３１＝帝拳）をプロモートする米トップランク社の大物プロモーター、ボブ・アラム氏（８５）も出席。王者アッサン・エンダム（３３＝フランス）との再戦で村田が勝てば来年に米国での防衛戦を予定していると明かし、パウンド・フォー・パウンド（ＰＦＰ＝全階級を通じての最強ランキング）入りも可能と絶賛した。

　ひな壇中央にアラム氏、隣に村田が座り、名物リングアナのジミー・レノン氏も出席した記者会見。「隣にアラムさんがいて、レノンさんがいて、僕が小さい頃に夢見ていた世界にいることをうれしく思う」。感慨深げに語った村田は「今回は自信を持ってリングに上がり、自信を持って相手を殴れる」と初戦との違いを強調した。

　アラム氏が村田の試合のために来日するのは１３年８月のプロデビュー戦以来２度目。不可解な判定負けを喫した５月の初戦には来日できなかった世界的プロモーターは「映像で見る限り判定は間違っていた」とし、「村田が勝てば１８年には米国で試合を組みたい」とプランを明かした。

　アラム氏は大リーグ・ヤンキースのファンでもあり「先日は田中投手が７回無失点でワールドシリーズに近づけてくれた」と米国でも評価される日本人の名前を口にすると、「村田も田中のように人種や国籍に関係なくスターになれる」と明言。「来年末にはＰＦＰの一人になる」とまで評価した。ＰＦＰは米リング誌やスポーツ専門局ＥＳＰＮが独自選出するランキングで、かつてメイウェザーやパッキャオが１位に君臨。日本人では過去に内山高志と山中慎介、現在は井上尚弥が名を連ねる「世界の１０人」入りも可能とした。

　試合はＥＳＰＮが早朝に全米生中継し、夕方にも再放送するため本場・米国へもアピールできる。アラム氏はマッチメーカーのグッドマン氏を帯同したことも明かし「会場で見させて今後の相手を考えたい」とコメント。防衛戦の相手候補として村田が１２年ロンドン五輪決勝で破ったファルカン（ブラジル、プロ１８戦全勝）を挙げ、「面白い試合になるのでは」と期待した。村田も「まずはベルトを獲って、そこから始まるストーリーがある」と必勝を誓った。

　▼前回対戦ＶＴＲ　王座決定戦で５月２０日に有明コロシアムで対戦。ジャブを突きながら右を打ち込むエンダムに対し村田はガードを固めてプレッシャーをかけ、４回に右ストレートでダウンを奪取。その後も手数は少ないながら有効打で勝ったように見えたが、１―２判定（１１７―１１０、１１１―１１６、１１２―１１５）負けでプロ初黒星。ＷＢＡはメンドサ会長が判定は誤りと表明し、エンダムの勝ちとしたジャッジ２人を資格停止にして再戦を命じた。