尚弥“俺が引っ張る” 内山氏引退、山中陥落でエースの自覚
WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ 井上尚弥≪12回戦≫ニエベス ( 2017年9月9日 カリフォルニア )
WBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥(24=大橋)が17日、横浜市内のジムで米デビュー戦となる6度目の防衛戦へ向けた公開練習を行った。ここ数年、日本ボクシング界を引っ張ってきた内山高志氏(37=ワタナベ)が7月に引退し、山中慎介(34=帝拳)も15日にWBC世界バンタム級王座から陥落。世代交代が顕著となる中、井上尚はリーダーの自覚を持って米国でアピールすることを誓った。
井上尚は山中が4回TKO負けで13度目の防衛に失敗した一戦をテレビ観戦。早すぎたとされるトレーナーの試合ストップの判断について「いろいろ意見はあるけど、自分は妥当と思う」と感想を口にした。「(4回は)残り30秒あったし、あれ以上ダメージがたまるのならストップするのは正解だなと思う」と話し「陣営の判断で周りが言うことじゃない」と見解を述べた。
山中だけではない。今年は5月にジム同僚の八重樫東が世界王座から陥落。7月にはスーパーフェザー級の元WBC王者・三浦隆司氏(帝拳)と元WBA王者・内山氏が相次いで引退し、日本ボクシング界を支えてきた世代が輝きを失いつつある。それだけに、ファンや関係者らの「次の日本のエース」として井上尚に懸ける期待は大きい。本人も「自分の立ち位置が変わってくる」と自覚十分で、「24歳になったし、これから自分が引っ張っていく気持ちを強く持って、盛り上げていかないといけない」と表情を引き締めた。
役割の一つが、これまで三浦氏が代表格だった本場・米国での活躍だ。デビュー戦は日本人の実力を示す機会で「盛り上げにつながってくると思う。重要な一戦と、ちゃんと理解してますよ」と頼もしい。挑戦者ニエベスを「リーチが長く、ジャブとワンツー主体のタイプ」と分析した上で、スパーリングでは「自分のポジションが重要になってくる。ジャブをいつも以上にずらして当てるとか、角度を変えて攻めるイメージをしている」と説明した。「日本でも毎回、お客さんにどう見せるか考えている」という“モンスター”が、「日本のエース」として米国のリングに上がる。
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