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【山中V12データ】30代で強敵相手に積み重ねた偉業

[ 2017年8月16日 05:30 ]

WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦   ●王者・山中慎介 4回2分29秒TKO 同級1位ルイス・ネリ○ ( 2017年8月15日    島津アリーナ京都 )

<山中慎介xルイス・ネリ>4R、ロープ際に追いつめられる山中(左)
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 具志堅氏に並ぶ世界王座13連続防衛はならなかったが、山中が残してきた功績が色あせることはない。具志堅氏は1970年代後半、山中は2010年代に長期防衛で一時代を築いた。15回戦と12回戦、当日計量と前日計量、世界王座認定が2団体と4団体など時代が違うため単純には記録を比較できない。だが、山中に関しては評価すべき点が2つある。

 (1)年齢 具志堅氏は21歳で世界王座を奪取し、25歳でV13に到達した。一方、山中の王座獲得は29歳で、下り坂となるはずの30代で防衛を重ねた。在位期間は具志堅氏の4年4カ月を上回る5年9カ月。その間、バンタム級の体重を維持してきた。体に良いものは積極的に取り入れ、今回も暑さ対策として黒ニンニクを導入。走り込み合宿でスタミナを強化してきた。娯楽も少なかった昔と比べ「今の方が勝ち続けるのは大変」と具志堅氏は感心する。

 (2)対戦相手 具志堅氏のライトフライ級は75年に設立。当時の認定団体はWBAとWBCだけだったが、新階級ゆえに世界的強豪との対戦に恵まれなかった。山中は伝統のバンタム級で世界王者経験者と5度、ランキング1位とも4度対戦してきた。「山中は強い相手とばかり戦ってきたから強くなれた」と帝拳ジムの浜田代表。特にWBA王座を計12度防衛したモレノを2度退けたのが光る。

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2017年8月16日のニュース