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待ってろ恒成!田口 日本人統一戦実現へ9回TKOでV6

[ 2017年7月24日 05:30 ]

WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ   ○王者・田口良一 9回24秒TKO 同級1位・ロベルト・バレラ● ( 2017年7月23日    大田区総合体育館 )

<WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ>7回、バレラ(左)に右フックを見舞う田口
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 昨年大みそか、辛くもドロー防衛した田口とは別人だった。「前回がふがいなかった。払しょくするために、1回からガンガン行った」とペース配分を無視し、序盤から攻め立てた。左ボディーを執拗(しつよう)に攻め、何度もロープに追い込んだ。そして9回、開始ゴングと同時に猛ラッシュ。バレラのクリンチからの再開後、右を顔面にヒットさせて相手の腰を砕くと、レフェリーがストップをかけた。

 「前回はお客さんに無駄な時間を使わせてしまった。面白い試合をしようと思った」

 相手は変幻自在に構えを左右スイッチ。対策として左構えでスパーリングを重ね、肩の可動域を広げるために左投げのキャッチボールを敢行。ただ、結果的に左構えを出す必要すらなかった。「身長が高く打ちやすかった。8回まででスタミナを全部使い、9回からは気持ちで行こうと」とスロースターターの戦い方をリニューアルし、渡辺会長も「相手にボクシングをさせなかった」と絶賛した。

 これまでの低評価を一変させ、WBO世界ライトフライ級王者の田中恒成(畑中)との王座統一戦も、実現へ向け動きだした。試合後、テレビ解説を務めた田中とリングで並んだ田口。「100%勝てるとは言い切れないけど、そういう(接戦の)試合を勝てば自信になる」。相変わらずリングを降りれば誠実で冷静。そんなギャップもV6王者の魅力だ。

 ◆田口 良一(たぐち・りょういち)1986年(昭61)12月1日、東京都大田区生まれの30歳。芝商卒。06年7月、1回TKO勝ちでプロデビュー。07年12月、全日本ライトフライ級新人王。13年4月、日本同級王座獲得。同年8月の初防衛戦で井上尚弥に判定負けして陥落した。14年12月、ロセル(ペルー)に判定勝ちしてWBA世界同級王座を獲得。身長1メートル67.3、リーチ1メートル72の右ボクサーファイター。

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