石本 再起戦でKO勝ちも「これじゃ体の心配をされてしまう」
ボクシングの前日本スーパーバンタム級王者・石本康隆(35=帝拳)が再起戦にKO勝ちした。18日に東京・後楽園ホールで行われたノンタイトル10回戦でフィリピン同級13位のアルネル・バコナヘ(23=フィリピン)に7回2分38秒KO勝ち。2月に日本王座3度目の防衛戦で久我勇作(ワタナベ)に敗れて以来、5カ月ぶりの再起に成功した。石本は39戦30勝(9KO)9敗。
序盤は右の強打を持つバコナヘに苦戦。2回にバッティングで左まゆ付近をカットして流血し、勢いに乗った相手に攻め立てられた。しかし、タイミング良く右を打ち込み始めた4回から流れを取り戻すと、相手がスタミナを消耗。7回、一か八かで猛攻を仕掛けてきたバコナヘにパンチを返して後退させると、左ボディーから右の返しで最初のダウンを奪い、さらに強烈な左ボディーで相手を仰向けにさせた。
35歳の石本は「スカッと勝って“すぐにでもタイトルマッチ”と言おうと思ってたけど、これじゃ体の心配をされてしまう」と苦笑い。「途中で危ないシーンもあったけど、この試合をタイトルマッチと思って練習してきた。最後はその追い込みが出た」と振り返った。最初にダウンさせたパンチを覚えておらず、2度目も相手が倒れてから右を打とうとして踏みとどまったところで気づいたそうで「2度と立てなくなるまで殴ってやろうと思った」と興奮状態だったことを明かした。
王座から陥落後、再起を認めてくれたジムに感謝しているという。担当トレーナーも変わり、若手の先頭に立って練習をしているベテランは「ボクシングをやっていて、今が一番モチベーションが高い。朝走るのも、ジムへ行くのも。そういう気持ちがみんなに伝わればいいと思う」と充実の笑み。「新しい練習もやっているし、試合直前なのに“練習したい”と話していた。これからが楽しみ」と話した。
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