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ベルト奪還なるか!?三浦隆司 16日にベルチェルトに挑戦

[ 2017年7月11日 17:22 ]

(左から)ミゲル・ベルチェルト(Getty Images)と三浦隆司(?NAOKI FUKUDA)
Photo By スポニチ

 迫力満点の攻撃的ボクシングで知られる元WBC世界スーパーフェザー級王者・三浦隆司(33=帝拳)が15日(日本時間16日)、米カリフォルニア州イングルウッドの「ザ・フォーラム」で現WBC同級王者ミゲル・ベルチェルト(25=メキシコ)に挑戦する。

 2代前の王者・三浦にとっては15年11月に手放したベルトの奪還がかかった試合だ。この試合の見どころについて、同じ帝拳ジムで汗を流し、三浦のことを「尊敬する人」と話す12年ロンドン五輪ミドル級金メダリストで現WBA2位、WBC3位、WBO3位の村田諒太(31=帝拳)にWOWOWが独占インタビューを行い、ベルチェルトvs三浦戦の勝敗の予想を聞いた。

 なお、三浦隆司が1年半ぶりの王座奪還を狙う世界戦「生中継!エキサイトマッチ 三浦隆司 世界王座再挑戦」は16日(日)午前11時からWOWOWライブで放送。ジムメートでもある村田諒太がゲスト解説として出演する。



■戦う前から「年間最高試合」候補



 ――ベルチェルトvs三浦が決まったと聞いたとき、どう思ったか。



 村田「ワクワクしました。好戦的な2人が戦うわけですからね。三浦さんはポイントであしらうといったような下手な小細工をしない選手。できないんじゃなくて、しないんです。ベルチェルトもパンチ力がある。そんな2人が戦うわけですから、試合前から年間最高試合になるだろうと予想がつくカードです。間違いなく面白い試合になるでしょう」

 ――三浦選手と練習することがあると思うが、感じるものは。

 「三浦さんに関しては尊敬の一言ですね。三浦さんを見ていると“僕ももっと練習しなくちゃいけない、もっと考えてやらなくちゃいけない”という気にさせてくれる人です。練習に真しに向き合っているし、周囲の人にも親切だし、ボクサーの鏡のような人です。ホントに優しいですよ」

 ――練習時間も長い。

 「考えながらやっていますからね。一緒にキャンプをさせていただいたこともあるし、ジムで話をすることもありますが、自分の考えを持っている、サムライという感じの人です」

 ――ボクサーとしての三浦の魅力は?

 「それは“ボンバー”といわれる左ストレートでしょう。それに左アッパー。右フックも強いのですが、やっぱり左ですね」

■「中盤から終盤にボンバーが炸裂!」



 ――ベルチェルトも三浦に劣らない強打者。

 「ベルチェルトはワン・ツーのあと、もう一度、左のジャブを返してくるんです。あれが相手にとっては厄介なんだと思います。(前王者の)フランシスコ・バルガス(メキシコ)もあれにやられた。ワンとツーまではブロックしたけれど、深く踏み込んできてスリーの左を当てられ、顔面をはね上げられていました。それでリズムを崩してしまった」

 ――カウンターを合わせることは難しいのか。

 「恐らく他の選手よりもスリーの返しのタイミングが速いと思います。あの独特のタイミングにはまってしまうと、三浦さんもマズイと思います。ただ、ベルチェルトはサウスポーとの対戦経験が少ないので、そこがどうでしょうかね?相手がオーソドックス(右構え)の場合は対角線上にジャブを当てやすいけれど、相手がサウスポーの場合は右手が前にあるの、でスリーが当てにくいのではないかと。これまでのベルチェルトの戦い方が通用するかどうか、そのあたりがキモになるような気がします。ましてや相手が三浦さんですからね。安易に飛び込むとボンバーが待っているわけですよ。いやあ、どうなるんだろう、こうやって話しているだけでもワクワクするじゃないですか」

 ――ベルチェルトのパンチ力についてはどう見ているか。

 「ガツン、ガツンと来るパンチではなく、顔面を押し上げるように打ってくるパンチですが、あれは重心を崩されます。重心が崩れたまま打ち返そうとするとバランスも崩すので、体重が乗らない上にスタミナを失う。バルガスはその負けパターンにはまった感じです。あの展開には持って行かせたくないですね」

 ――ベルチェルトはまだ25歳。試されていない部分もありそうか。

 「もちろんあるけれど、バルガスに勝っているわけで、それで試されていないというのは失礼にあたります。ただ、ひとつ確実に言えるのは、ベルチェルトは三浦さんとは戦ったことがないということです。そして、三浦さんほど危険な相手はいないということ。これまでにどんな経験をしていようと、三浦さんと戦うことはまた違うと思います」

 ――今回、米西海岸での世界戦となるが、三浦は過去にメキシコや米国で試合をしている。その経験はプラスになるはずだが。

 「海外で試合を経験していることは大きいと思います。よその国で戦うとなると時差の問題もあるし、たとえばバンデージの巻き方に関しても、米国では拳の部分に直接テープを巻いてはいけないとか、細かいところでルールが違うわけですから。計量の時間も違うし、式典のようなものもあるし、日本と違うことがいくつもあります。そういうことに戸惑わないというだけでもプラスでしょうね」

 ――では、試合展開の予想を。

 「中盤から終盤にボンバー炸裂、左ストレート、もしくは左アッパー、左のボディーブローかな。いや、やっぱり左ストレートでしょう。バチンと決まってベルチェルトがダウン。立ったところをボンバーが追撃、そしてレフェリーがストップしてTKO。もうね、分かるでしょう、僕は三浦隆司のファンなわけですよ。その姿しか想像したくないですね」

 ――三浦選手にエールを。

 「エールもなにも、三浦さんが練習する姿を近くで見せてもらって、それに刺激を受けて僕も練習できているので、そのことに感謝しています。ケガなく、いい試合でタイトルを取ってくれることを願っています」

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2017年7月11日のニュース