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【浜田剛史の目】さらりと左構え 尚弥の強さを見た

[ 2017年5月22日 09:00 ]

WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ   ○王者・井上尚弥 3回1分8秒KO 同級2位リカルド・ロドリゲス● ( 2017年5月21日    有明コロシアム )

2回からサウスポースタイルに変化した井上
Photo By スポニチ

 2回、井上が左構えにスイッチした。相手を見切っての余裕かなと思ったら、その構えからワンツーでぐらつかせた。そうした見せ場をあっさりとつくれるところに井上の強さを見た。

 相手のロドリゲスはランク2位の指名挑戦者。しかし、実力の差があり過ぎて井上の敵ではなかった。一生懸命に戦ってはいるが、スピードの差、テクニックの差、体力の差と全てに井上が上。勝負を決めた3回の左フック2発は、最初はカウンターで、次はブロックを破ってヒットさせた。レベルの違いがここに表れていた。

 井上は試合の1カ月前に下半身強化のミニ合宿を行ったと聞いた。成果がすぐに出るかどうかはさまざまだが、井上の場合は、吸収力がいいのだろう、その効果が戦いに感じられる。素材の良さはもちろんあり、しかし、それは磨かなければ光らない。V4のときよりレベルアップを感じるのは、練習量のたまものだろうと思う。ロドリゲス相手の今日の試合で井上が負ける要素はまったくなかった。そんな中、手を抜かず、ファンが望むKO勝利で終えたところに旺盛なプロ意識もあった。(帝拳ジム代表、元WBC世界スパーライト級王者)

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2017年5月22日のニュース