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【浜田剛史の目】手数を重視したのだろうが…私の採点なら7ポイント差で村田勝利

[ 2017年5月21日 07:30 ]

WBA世界ミドル級王座決定戦   ○同級1位アッサン・エンダム 判定 同級2位・村田諒太● ( 2017年5月20日    有明コロシアム )

エンダム(左)に判定で敗れた村田
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 村田はエンダムへの対策として、やろうとしたことを練習通り、全てやっていた。エンダムはスピードがあり、フットワークも速く、一発より連打、手数で攻めるアウトボクサーだ。村田がこれにどう対応するか。戦い方としては、序盤でまず、エンダムのスピードを肌で感じて慣れ、中盤以降、距離を詰めてプレッシャーをかけ、打ち合う場面をつくる。その通りの戦いができていたと思う。

 採点の基準は、クリーンヒットでダメージを与えたかどうかが第一にある。優劣がつかずにイーブンと思われたとき、手数や攻撃の姿勢にポイントが移る。ガードを固めた分、エンダムに比べて手数は少なかったが、村田はダウンも奪い、右を当てるたびに相手をぐらつかせた。私の7ポイント差での村田の勝利は、与えたダメージに重きを置いたものだ。公式のジャッジが大きく分かれたのは、村田の一発とエンダムの手数をどう判断したかによるものだ。結果、村田の負けとなったのは、この日のジャッジ構成の視点の違いによるもので仕方ないが、私には納得いかないものが残った。村田には気の毒だった。しかし、あえて言うなら、もうひとつダウンが欲しかったと思う。 (帝拳ジム代表、元WBC世界スーパーライト級王者)

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