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41歳の江畑佳代子 6度目挑戦で悲願の世界王座「やっと夢がかないました」

[ 2017年5月19日 21:39 ]

<WBO女子世界ミニフライ級王座決定戦10R>勝利に笑顔がはじける41歳の江畑
Photo By スポニチ

 ボクシングのWBO女子世界ミニフライ級王座決定10回戦は19日、東京・後楽園ホールで行われ、江畑佳代子(41=ワタナベ)が3―0の判定で塙英理加(26=UNITED)を破り、6度目の挑戦で悲願の世界王座を獲得した。江畑は18戦11勝(6KO)7敗、プロ初黒星の塙は7勝(2KO)1敗。

 前進してフックを振ってくる塙に対し、江畑は軽快なフットワークで距離をつくり、タイミング良くワンツーを打ち込んでペースを握った。5回に塙の左フックと右をもらって後退したものの、終盤にワンツーを当てて流れを明け渡さず、中盤以降の打ち合いでも終始右のカウンターをヒットさせて優位に立った。判定はジャッジ2者が97―93、1者が98―92でいずれも江畑を支持。勝利を告げられると江畑は顔を覆い、リング上で「41歳、ボクシングを始めて21年でやっと夢がかないました。諦めなくて本当によかった。ボクシングを続けさせてくれたお母さん、ありがとう」と涙で感謝を口にした。

 国内女子ボクシングの先駆者で、大学時代にワタナベジムへ入門し、アマチュアの全日本選手権を6度制覇。2007年にプロデビューしたが、5度の世界挑戦はいずれも実らず、負けるたびに母サチ子さんから「もうやめてくれるんだよね」と言われるなど何度も引退の危機に立たされた。しかし、ジムの後輩らを指導するうちに「私の言葉に説得力がないと思って、何か胸が張れるものが欲しい」と現役続行を決意。「とにかく距離を保つことを考えた。自分のボクシングに徹しよう、全部出して楽しもうと開き直れた」と勝因を明かした。広告代理店勤務で、22日(月)からは営業に戻るが、「名刺の裏に“世界チャンピオン”と入れるのが小さな夢だった。総務部からOKをもらってます」と話してベルトをいとおしそうにながめた。

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2017年5月19日のニュース