井岡、世界戦14勝!大差判定でV5 次戦統一戦で“具志堅超え”狙う
WBA世界フライ級タイトルマッチ12回戦 ○王者・井岡一翔 判定 同級2位・ノクノイ・シットプラサート● ( 2017年4月23日 エディオンアリーナ大阪 )
ボクシングのダブル世界戦が23日、エディオンアリーナ大阪であり、WBA世界フライ級タイトルマッチは王者の井岡一翔(井岡)が3―0の判定で同級2位のノクノイ・シットプラサート(タイ)を下し5度目の防衛に成功した。世界戦14勝は、具志堅用高に並んで国内ジム所属で史上1位。次戦で単独トップを狙う。
井岡が日本ボクシング史に、その名を刻んだ。大差の判定勝ちで世界戦14勝目をマーク。1980年10月、具志堅用高が13度目の王座防衛で樹立した大記録に、国内ジム所属選手としては37年ぶりに到達した。
「この記録は僕だけの記録ではなく、支えてくれた方、そしてファンやフィアンセの彼女があっての記録です」。勝利インタビューでは婚約中のタレント・谷村奈南にも感謝を伝えた。
4戦連続のKO防衛こそならなかったが、プランを変更した中盤以降は圧倒した。ボディーを意識させて顔を狙う作戦にして、右のアッパーを効果的に使った。「最後仕留めきれなかったのは駄目でした。この内容で具志堅さんに並んだのは凄く恐縮な気持ち」。終盤に猛攻を仕掛けるのは得意パターン。だからこそKOできなかった内容に不満が残った。
世界戦で初めてのダウンを喫した前戦から防衛面も修正し、15年4月に悲願の3階級制覇を成し遂げてから2年で5度の防衛に成功した。それは技術面、コンディショニングなどで進化し続けてきたからこそだ。フライ級の顔と呼べる存在になっても、ボクシングノートをつけて慢心を防いでいる。アマ時代、東農大に入学したころからほぼ毎日、気づいたことを書き込んできた。書くことで今後の練習の意図を明確にし、気持ちを奮い立たせている。この世界戦に向けても“覚悟”を意味する言葉を記したという。
次の照準はWBO同級王者、鄒市明(ゾウシミン、中国)との統一戦。「誰もが認める内容で超えないといけない」。実現すればKOで単独トップとなる世界戦15勝目を狙う。さらに井岡一法会長は「一翔が望めば、スーパーフライ級まではいけるでしょう」と先を見据える。井岡のモットーは「唯一無二の存在になる」。日本人では誰も達成していない4階級制覇も夢で終わらせない。
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