元女子競輪の島野 ボクサー転向、プロテスト受験「好きなことやりたかった」
ボクシングのプロテストが13日、東京・後楽園ホールで行われ、元女子競輪選手の島野麗敏=しまの・りーみん、旧姓・中山=(34=TEAM 10COUNT)が受験した。ガールズケイリンの1期生で、女子競輪が48年ぶりに復活した2012年7月1日(平塚競輪場)に記念すべき最初のレースを制すなど通算199戦49勝。「お金を稼ぐのなら競輪だけど、好きなことをやりたかった。目標は世界王者です」と意気込みを口にした。
両親が中国出身で、実家は大阪市内の中華料理店。市岡高では陸上競技の砲丸投げと円盤投げでインターハイに出場し、18歳で日本国籍を取得した。その後、米国の大学へ留学した際にボクシング経験があり、南海キャンディーズのしずちゃんこと山崎静代がリオデジャネイロ五輪を目指しているのを聞き「自分でも勝てるんじゃないか」とリングへの思いが再燃したという。競輪を仕事とする一方で地元・平塚にあるジムへも通っていたが、「どちらも中途半端になってしまい、競輪の師匠からも“どちらかにしろ”と言われた。悩んだけど、どうしてもボクシングがしたい」と今年2月で競輪を引退した。
当初は20年東京五輪を目指していたが、日本ボクシング連盟から「元プロ選手はいかなる競技でもダメ」と言われて断念。プロになる決意を固めた。重量級の女子選手は国内にほとんどいないため競輪時代は80キロ近くあった体重を62キロまで落としており、プロテスト合格後はフェザー級あたりでの試合出場を目指す。TEAM 10COUNTの鳥海純会長は「下半身に比べると上半身はまだだけど、メチャメチャ体が強い。体の強さと負けず嫌いがある」と評価しており、4月で35歳になる島野も「カズ選手が“年齢はただの数字”と言っていた。残された時間は少ないと思うけど、今を目いっぱいやりたい」と話した。
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