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高山 6度目の世界王座奪取 流血なんの!33歳の意地見せた

[ 2016年8月21日 05:30 ]

<WBO世界ミニマム級王座決定戦>3R、流血しながらも左ストレートを加納(右)に決める高山

WBO世界ミニマム級王座決定戦12回戦  ○同級2位・高山勝成 6回58秒負傷判定  同級1位・加納陸●

(8月20日 兵庫・駒ケ谷運動公園体育館)
 高山の時代は終わらない。日本人対決となったWBO世界ミニマム級王座決定戦で、高山勝成(33=仲里)が加納陸(18=大成)を6回負傷判定3―0で下し、自身の記録更新となる6度目の世界王座奪取となった。33歳のベテランは序盤から積極的にパンチを繰り出し、15歳年下のホープを圧倒。左まぶたを切りながら、会心の内容だった。加納は世界王座奪取の国内最年少記録更新を逃した。

 33歳の高山は15歳年下相手に、ゴングから積極的に仕掛けた。「向こうが思いのほか出てこなかったので、こちらからいってやろう、と」。3回に左まぶたを切り流血。並のボクサーならファイトに影響する出血量でも、慌てず攻め続けた。右フックが効果的にヒット。6回途中で負傷判定になり、拳をロープに叩きつけて悔しがった時も、勝利の確信だけはあった。

 「9回か10回くらいでKOできると思っていたので。加納君も、もっと戦いたかったでしょうし。でも、俺のベルトが返ってきて、うれしいし満足してます」

 日本人最多を更新する6度目の戴冠を果たした世界王者の言葉は重い。加納とは、自身がIBF王者時代の2013年12月の防衛戦直前にスパーリング。リングに立った時、「体が大きくなったなあ」と感慨を覚えたものの、グローブを交えた後の感想は違っていた。「正直、まだまだです。(自分と戦うには)早すぎたかな」。キャリアや老かいさ以上に、ボクシングそのもので圧倒した自身16度目の世界戦。軽量級の世代交代は、しばらく訪れそうにない。

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