×

モデルボクサー高野人母美、引退の意思を撤回 金平会長と涙の握手

[ 2016年5月27日 13:12 ]

会見後、協栄ジム・金平桂一郎会長(右)と握手する高野人母美

 東洋太平洋女子スーパーバンタム級王者でモデルボクサーの高野人母美(28=協栄)が27日、東京都新宿区の協栄ジムで金平桂一郎会長(50)と会見を開き、引退の意思を撤回することを表明した。白いブラウスにストライプのスカート姿で会見に現れた高野は「このたびは私の発言でたくさんの方にご迷惑をおかけしたことをおわびいたします。またゼロから心を入れ替えてボクシングに励んでいきたいので、応援よろしくお願いします」と神妙な顔つきで謝罪した。

 高野は昨年11月、世界初挑戦でWBC世界女子スーパーフライ級王者ダニエラ・ベルムデス(アルゼンチン)に4回KO負け。6月6日に約7月ぶりの再起戦を東京・後楽園ホールで行うことが決まり、李恵林(韓国)とのノンタイトル6回戦が発表されていた。しかし、今月18日に金平会長不在で行われた発表会見で「今回の試合でラストにしようかなと思っている」と引退を電撃表明。「やりたいからボクシングをやってきたが、指図されてやるのは違うと思う。やりたくない気持ちになってきている」と理由を説明し、会長不在を狙った表明であることも明かした。

 これに対し、海外出張中だった金平会長は自身のツイッターで「6月6日もやらなくていいです!」「中止を決定しました」と激怒。帰国後の24日に高野と約3時間話し合い、発言の真意を問いただしたところ、「減量や試合のプレッシャーでつい引退という言葉を口にしてしまった」と説明を受け、現役続行の意向を確認したという。

 金平会長は「ボクサーが進退について揺れるのは理解できる。だが、それを考えもなしに公の場で言うのはボクサーとしての自覚が足りない。自覚がないボクサーをリングには上げるわけにはいかない」として、高野へのペナルティーとして6月6日の試合を中止し、代わりに2ラウンドのエキシビションを行うと発表。芸能活動は制限しないが、「今後は信頼回復のためにジムに極力顔を出し、とにかく体を動かして、普通のボクサーがやるトレーニングをやること。それができなければ、リングを去ることになるかもしれない」と進退はジム預かりとする姿勢を示した。エキシビションの相手は今後新たに探し、試合中止に伴う損害金はジムが負担するという。

 高野は「信頼を回復して、ちゃんとプロボクサーの自覚を持って、イチから練習をやっていきたい」とコメント。終始硬い表情だったが、最後に金平会長と握手した際は涙ぐんだ。

続きを表示

この記事のフォト

2016年5月27日のニュース