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【浜田剛史の目】ことごとく裏目に出た内山 スイッチ対応が後手に

[ 2016年4月28日 10:50 ]

2回、ダウンから立ち上がった内山にコラレスのエルボーが…

WBA世界スーパーフェザー級王座統一戦12回戦 スーパー王者・内山高志●KO 2回2分59秒○暫定王者ジェスレル・コラレス

(4月27日 大田区総合体育館)
 負ける時というのは、あるいはこんなものなのかもしれない。内山はやろうとしたことが、ことごとく裏目に出た。初回、相手の振り回すパンチにスピードを感じ取った内山は、左対策を組み立て直そうとした。その途端にコラレスは右構えにスイッチしてくる。それに対応して、また組み立て直そうとするが、その前に右左のパンチをもらってしまい、嫌な雰囲気となってしまった。

 それを引きずり2回、相手のパンチに内山が右で合わそうとしたとき、左の強烈なカウンターが入ってきた。スピード勝負だったが、相手の方が速く、このダウンのダメージは大きかった。2度目のダウンはスリップ気味だったが、勝負が決まった3度目のダウンは効いていた。内山はじっくり構え、相手のスピードをもっと読んでも良かったのではないか。コラレスにはスピードがあり、内山にはそのスピードに対応する準備も自信もあったと思うが、結果としては急ぎ過ぎを感じた。

 今回の防衛戦は相手がなかなか決まらず、二転三転したり、また、防衛記録が年内に懸かってくるという重圧もあったと思う。こうした内面が内山といえど微妙に影響したかもしれない。さまざまな苦労を乗り越えてここまできた選手だけに負けは残念だった。(元WBC世界スーパーライト級王者)

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