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王者・井上、次戦指名試合は超異例!挑戦者を“自由選択”

[ 2015年7月9日 05:30 ]

WBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥

 ボクシングWBOのフランシスコ・バルカルセル会長(67)が8日、都内で会見し、次戦が指名試合になるWBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥(22=大橋)の対戦相手について、1位ワルニト・パレナス(31=フィリピン)か2位ダビド・カルモナ(24=メキシコ)を自由に選択できる権利を陣営に与えることを明かした。暫定王座決定戦に臨んだ2人が引き分けに終わったため、異例の措置が取られた。

 鶴の一声だった。井上は昨年末のナルバエス(アルゼンチン)戦で右拳を負傷。その影響で防衛戦が行えないため、WBOは暫定王座決定戦を行うことを指示し、その勝者と指名試合を行うことを義務付けた。

 ところが、4日に1位パレナスと2位カルモナとの一戦が三者三様の引き分けに終わり、相手が決まらなかった。王座認定団体が挑戦者を指名することから「指名試合」と呼ばれるが、バルカルセル会長は「引き分けのどちらかの選手を選ぶ権利をプロモーターに渡したい」と井上陣営が好きなように選べる措置を取った。

 これを受け、所属ジムの大橋秀行会長は「強い方を選ぶ」と回答した。1位パレナスはかつてウォーズ・カツマタとして日本で活動。KO率8割超でパンチ力には定評があるが、八重樫東に判定負けしたブランケットと12年に戦い1回KO負け。一方、2位カルモナは井上が昨年末に2回KO勝ちしたナルバエスと13年に勝負して7回KOで敗れている。両者は実力がきっ抗しており、最後は条件面で判断が下されそうだ。

 井上は右拳の強度を調節しながら練習を行っており、10月にもリングに立てる状態まで回復する見込みだ。バルカルセル会長は「ナルバエスをあんな形で倒すとは、人生の中で考えもしなかった」と高く評価した。近い将来、43戦無敗のローマン・ゴンサレス(ニカラグア)とのビッグマッチ実現が期待されており、米ケーブルテレビ、HBOも中継に乗り気という。その通過点となる次戦。どちらが相手になっても怪物が秒殺することに変わりはない。

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2015年7月9日のニュース