×

村田 自画自賛の4連続KO「褒めていただきたい」

[ 2014年5月23日 05:30 ]

5回、ネリオ(左)に強烈な右をヒットさせる村田諒太

73・4キロ契約10回戦 村田諒太○ 6回KO ●ヘスス・ネリオ

(5月22日 島津アリーナ京都)
 予告通り右ストレートで仕留めた。ロンドン五輪男子ミドル級金メダリストの村田諒太(28=三迫)はヘスス・ネリオ(25=メキシコ)を6回2分35秒KOで下し、デビューから4戦連続KO勝利。南京都高(現京都広学館高)時代を過ごした京都でのプロ初めての試合で、進化した姿を見せた。

 6回2分すぎ、「ズドン」という鈍い音に続いて、会場からはどよめきが起こった。村田の重い右ストレートがネリオの顎を捉えた。世界ランカーとの対戦経験もあるメキシカンはこの回2度目のダウン。両膝をついて座り込んだネリオは立ち上がることができなかった。「練習してると言ってきた右ストレートで倒せた。有言実行ということで褒めていただきたいですね」。

 自画自賛の圧勝劇だった。「生粋のファイター」と自称する男は序盤から前に出てプレッシャーをかけた。左ジャブから右ストレートを打ち込み、左ボディーも効かせた。ほぼ一方的に攻め込んだ。ネリオは懸命に頭を下げてパンチをかわし、クリンチで粘る。「“ザ・プロ”という感じで、やりにくかった」と少々手を焼いたが、6回に横っ面に右ストレートを打ち込み最初のダウンを奪うと、再び得意の一打で仕留めた。原点の京都で成長した姿を見せた。

 昨年4月のプロ転向から約1年。防御やジャブなど、技術の向上とともに肉体もプロ仕様に進化している。普段の体重は2キロ増えて約78キロになった。アマ時代はウエートトレーニングに取り組んだ時もあったが、「筋肉はバキバキよりもナチュラルな方がパンチのパワーが出る。今は腕立て伏せすらしていない」という。練習量はアマ時代と変わらないが、アマの3回からプロの10回などに対応するため、スパーリングのラウンド数の増加が筋量増の大きな要因だ。今回もラスベガスで90ラウンドを実施。実戦で体をぶつけ合う中で肩周り中心に筋肉がついた。成果を示すKO劇に「右ストレートと左ボディーの威力は世界に引けを取らないと思っている。パワーの面では自信になった」と胸を張った。

 年内はあと2戦を予定。来春のプロ7戦目では米国で世界ランカーと対戦し、秋以降の世界挑戦を目指す。「アマの代表として、世界王者になることが義務だと思っている。僕は成長していくしかない」。世界王者への3年計画。プランは着実に実行されている。

続きを表示

この記事のフォト

2014年5月23日のニュース