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穂積 引退へ…7回TKO負け「あらためて会見します」

[ 2014年4月24日 05:30 ]

7R、TKO負けを喫し、3階級制覇を逃した長谷川

IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦 ○キコ・マルティネス TKO7回1分20秒 長谷川穂積●

(4月23日 大阪城ホール)
 ダブル世界戦が行われ、IBF世界スーパーバンタム級王座に挑んだ長谷川穂積(33=真正)は3階級制覇に失敗。集大成と位置づけた一戦で完全燃焼し、このまま現役を引退する可能性が高くなった。

 死力を尽くした長谷川は、ややおぼつかない足取りでリングを下り、花道を引き揚げた。別れを惜しむように拍手がなかなか鳴りやまなかった。

 「集大成」と位置づけ、負ければ引退の覚悟で臨んだ一戦で完敗。長谷川は会見を行わず「ありがとうございました。あらためて会見します」と意味深な言葉を残した。

 サングラスで左まぶたの傷を覆い、病院へ直行。合宿などで一緒に汗を流した粟生と抱擁を交わし、男泣きで見送られた。

 序盤から王者の猛攻に苦しんだ。2回に最初のダウン。ロープに詰められ、応戦したものの、左フックをもらった。4回にバッティングで左まぶたをカット、さらに鼻から出血。ダメージが蓄積する中で6回終盤に足元がふらつき、続く7回に幕切れが訪れた。左フックを浴びて2度目のダウン。何とか立ち上がったものの、再び打ち下ろし気味の左を浴びて四つんばいに倒れ込んだ。レフェリーが両手で試合を止め、ほぼ同時にセコンドからもタオルが飛んだ。

 3年ぶりの世界戦は待ち望んだ“適正階級”スーパーバンタムでの晴れ舞台。減量方法を改め、防御を見直し、自分の強さを確認するため「究極の自己満足」の戦いに最善を尽くした。直前まで本人は「100%」と断言する最高の状態。山下会長も「以前の長谷川と何も変わらなかった」と言い切るほどだったが、無残な結果に終わった。

 大阪市内の病院で検査の結果、右眼窩(がんか)底、鼻骨の骨折と診断された。神戸市内の病院へ入院し、しばらく治療に専念する。二人三脚で歩んできた山下会長が長谷川の思いを代弁。「本人と今後について何も相談していない」と説明した上で「これだけボクシング界に貢献し、頑張ってきたから何らかの(意思表示の)場を設けたい」と後日開く会見で進退を明らかにする意向を示した。「試合でも、練習でも完全燃焼したと思う。でも、これが結果で全て」。試合前の決意表明どおり、このままグローブを置く公算が大きい。

 ▼浜田剛史氏 長谷川は2回のダメージが最後まで残ってしまった。3回からは自分のタイミングで試合を運べたが、ダメージがあった分、1つパンチをもらうだけで効いてしまっていた。2回は相手の仕掛けに応じて打ち合ってしまったが、勝負を中盤以降に持っていってもよかったのではないか。

 ▽マルティネス―長谷川VTR 長谷川は打ち合いに敗れた。2回にロープを背負い、足が止まってしまうと右フックなどを浴びてダウン。ボディーブローを中心に反撃するが、フットワークが影を潜めた。冷静さを欠いたまま強打をもらい続け、7回に2度のダウンを喫してレフェリーが試合を止めた。マルティネスはタフさと、パンチの威力で上回った。

 ◆長谷川 穂積(はせがわ・ほづみ)1980年(昭55)12月16日、兵庫県西脇市生まれの33歳。99年11月プロデビュー。03年5月に東洋太平洋バンタム級王座獲得。05年4月に世界初挑戦でWBC世界同級王者ウィラポンに12回判定勝ちで王座獲得。以後10度防衛。10年4月にWBO同級王者モンティエルに敗れて陥落。同年11月にWBC世界フェザー級王座決定戦で同級1位ブルゴスに12回判定勝ちで王座獲得。11年4月の初防衛戦で同級1位ゴンザレスに敗れて陥落。戦績は38戦33勝(15KO)5敗。身長1メートル68。左ボクサーファイター。

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2014年4月24日のニュース