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井岡ジョー魂だ!3階級制覇へ「ああいう気持ちの強さ持ちたい」

[ 2014年4月16日 05:30 ]

週間マンガタブロイド・アルチーボの「あしたのジョー」を手にする井岡一翔

ダブル世界戦 IBF世界フライ級タイトルマッチ 王者アムナト・ルエンロン(タイ)VS同級10位・井岡一翔(井岡)

(5月7日 ボディメーカーコロシアム)
 不屈の“ジョー魂”で偉業達成だ。3階級制覇に挑む井岡一翔が漫画「あしたのジョー」(原作・高森朝雄、漫画・ちばてつや)の主人公・矢吹丈のような熱闘を誓った。「ボクシング漫画ではいちばん好き」という名作とMANGA ARCHIVOS(マンガ・アルチーボ)で“再会”。迫力ある画とストーリーに闘志をかき立てられ、打倒王者に燃えている。

 ジョーの時代は昭和半ば。平成生まれで25歳の一翔にとってはまったくの異世界だ。しかし、作品全体に漂う雰囲気をこよなく愛する。

 「ボクシング漫画ではいちばん好き。あの時代の空気というか、香りが伝わってくる。今では、なかなか表現できないものがあると思う」

 ジョーとは不思議な縁もあった。一翔がミニマム級で初めて世界王座に就いた3年前、11年2月11日は山下智久主演の実写版「あしたのジョー」が東宝系で公開された日だ。ジョー役の山下、丹下段平役の香川照之ら出演者から激励を受け、栄冠を勝ち取った。

 今回は叔父の元世界2階級王者・井岡弘樹氏が果たせなかった偉業に挑戦する。「3階級制覇はボクシングを始めた、きっかけ。この試合は1つの大きな区切り」。競技人生の大きなヤマ場を迎えたところで、ジョーと“再会”を果たした。

 「好きなキャラクターはもちろんジョー。スタイルは全然違うけど、ああいう気持ちの強さを持ちたい」

 一翔はプロ14戦無敗でもガードは高く鉄壁、攻防一体の動きから多彩なコンビネーションを繰り出し、きれいな顔で試合を終えることも多い。ノーガード戦法をはじめ型破りなファイトを続ける主人公とは対極に位置するが、だからこそ憧れを持つのかもしれない。

 対戦相手の王者ルエンロンに一翔はアマ時代の国際大会で敗れた。プロのリングに上がる前からの宿敵という構図は、矢吹丈対力石徹に通じる部分がある。「やられたらやり返す!」。偉業達成を目指し、調整は佳境。老かいなベテラン王者の技術に対抗すべく、ジョーのような熱いハートでスパーリングに励む。

 ▼MANGA ARCHIVOS(マンガ・アルチーボ) 業界初の新聞型週刊マンガでスポーツニッポン新聞社が3月第3週に創刊。傑作昭和マンガシリーズの第1弾は名作「あしたのジョー」。主人公の矢吹丈の壮絶な戦いが全話連載される。毎号1面は激レア原画、終面には辰吉丈一郎、漫画家・森川ジョージ氏らが作品と競技への愛情を語り尽くすコラムを掲載中。問い合わせはスポニチフリーダイヤル=(電)0120(4612)10。または、最寄りの毎日新聞販売所へ。

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2014年4月16日のニュース