×

大毅今さら王座返上表明 丸刈りで謝罪「もう一度王者に」

[ 2014年3月20日 05:30 ]

米国合宿への出発前に亀田大毅はIBFの王座を返上すると語った

 ボクシング世界戦で昨年12月に試合に敗れながら王座保持となったIBF世界スーパーフライ級王者の亀田大毅(25)が19日、王座返上を表明した。今回の騒動についてファンに対して謝罪し、出直しを宣言。王座奪回を目指して、成田空港発の航空機で米マイアミでの合宿へ出発した。王座を認めていなかった日本ボクシングコミッション(JBC)も大毅の対応を評価した。

 敗れてもなお王座を保持した昨年12月の世界戦以降、騒動に関して沈黙を貫いてきた大毅が米合宿出発前の成田空港で口を開いた。帽子を脱ぐことはなかったが、丸刈りにして、けじめの意思を示し「ファンの皆さまにご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」とまずは謝罪。そして「IBFに王座を返上しようと思います」と続けた。

 質問は受け付けず、返上の明確な理由は語らなかったが、次の防衛戦を行うのは困難と判断したもようだ。今回の問題でジムは事実上の活動停止処分となり、大毅ら3兄弟は国内で試合ができない状況。1月だった指名試合の交渉期限もこれ以上の先延ばしは難しい。大毅は「王者に2回なったし、辞めようかとも思った」と一時は引退を考えていたことを明かし、「日本では練習に身が入らない」と戦う準備が心身ともに十分でないことも返上の決断を後押ししたと思われる。今後もスーパーフライ級にとどまるのか、階級を上げるのか明言しなかったが「和毅やお兄ちゃん(興毅)も頑張ってるし、もう一度頑張ろうと思った。もう一度王者になりたい」と出直す決意を語った。

 ベルトはなくなるが、今後得るものは大きいかもしれない。王座の扱いについては「認めない」とするJBCと「ルール通り保持」とするIBFで見解に相違があった。話し合いは平行線をたどり、両者は頭を悩ませていた。「返上」はその難題を解決する唯一の対応策だった。亀田側がどの程度配慮したかは分からないが、両者に好印象を与えたのは間違いない。

 IBFは犠牲を払った大毅に報いるため、次回ランキング発表で大毅を世界再挑戦しやすい上位にランクインさせることが濃厚。JBCの秋山弘志理事長も「ねじれの状況を早く解決しなければいけないと思っていた。評価しないといけない」と亀田側に強硬一辺倒だった態度を軟化させた。

 亀田側はJBCに対し、会長とマネジャーが事実上の資格剥奪となった処分の見直しを求めて、18日に再審議を請求した。同理事長は「それは別です」と話し、今回の王座返上が処分軽減にはつながらないとの認識を示した。だが、JBC内には「選手は活動できるようにしてやりたい」という声もある。返上をきっかけに、和解ムードが高まる可能性も出てきた。

続きを表示

2014年3月20日のニュース