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暴君アーツ 万感“さよなら負け” プロレスは今後も参戦

[ 2013年12月22日 05:30 ]

べホーベン(右)にハイキックを放つアーツ

立ち技「GLORY13」

(12月21日 東京・有明コロシアム)
 暴君アーツが総合格闘技から引退した。立ち技世界一のイベント「GLORY13」が21日、有明コロシアムで行われた。K―1を3度制した暴君ピーター・アーツ(43=オランダ)が同郷の若手のリコ・ベホーベン(24=オランダ)と引退試合を行い、1―2と惜しくも判定負けした。K―1元王者のレミー・ボンヤスキー(37=オランダ)も日本で最後の試合を行い、判定負けした。

 かつて戦った武蔵や魔裟斗、5階級制覇したボクシングのフロイド・メイウェザーや家族らが見守る中、アーツは引退式で10カウントを聞いた。K―1で一時代を築いた男は「いい試合だった。ハードな試合でベストを尽くせた。(引退は)寂しいが戦えて良かった」と総合での最後のファイトに胸を張った。

 序盤から真っ向勝負で前に出た。24歳を相手に左右のパンチに得意の左ハイキックを繰り出すと大歓声が巻き起こる。しかし、相手の右ローキックにふらつく場面もあった。力の限り戦った結果は1―2と僅差の判定負け。それも素直に受け入れることができた。

 19日にはK―1でのかつてライバルで、京都・大徳寺芳春院に眠るアンディ・フグさんの墓参りをした。リングでは好敵手だったものの、リングを離れた2人は仲が良かった。アーツはフグさんが亡くなった時には病院に駆けつけて号泣した。喜びも悲しみも味わった立ち技からはこれで引退する。

 今後、プロレスには継続参戦し、31日の「INOKI BOM―BA―YE2013」(スポニチ後援)には出場予定はないが、小川直也から挑発を受け迎撃を示唆。立ち技では「若手を育てたい」と指導者として第2のアーツ育成を約束した。

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