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ノア、解散危機…小橋退団、潮崎&秋山ら5人離脱申し出

[ 2012年12月5日 06:00 ]

ノア退団が発表された小橋

 プロレスリング・ノアの田上明社長(51)は4日、同団体のエース・小橋建太(45)が退団することを発表した。両足の負傷で長期欠場中の小橋は、9日の両国国技館大会のリング上で退団を正式表明する。さらに主力選手の秋山準(43)、現GHCタッグ王者・潮崎豪(30)ら5人も契約更新をしない意向で、今年限りでの退団が濃厚。主力6人の離脱で、00年に旗揚げしたプロレス界の盟主が解体のピンチに立たされた。

 小橋との選手契約について、4日の千葉大会前に会見した田上社長は、解雇は否定しながらも、「9日の両国大会で小橋自身の口からファンの皆さんに報告したいことがあると聞いている」と話した。関係者によると、同社長は「左脛(けい)骨骨折」などで長期欠場中の小橋と話し合いを持ち、今後選手契約を結ばないことを確認したという。小橋はフリーになって復帰を目指す。

 00年6月に三沢光晴、小橋、秋山準らが全日本から離脱して旗揚げしたノアは04、05年に2度の東京ドーム大会を成功させるなど、「盟主」として君臨してきた。しかし、09年6月に三沢光晴前社長が46歳で急死。大黒柱を失い、観客動員に陰りが出始め、地上波でのテレビ中継も打ち切られ、経営が一気に悪化した。全盛期には年に6回は開催した日本武道館での興行も行えず、現在は後楽園ホールでも空席が目立つほど。関係者は、小橋との契約を打ち切ったのも、経営不振による高額年俸選手のコストカットの意味合いが強いと指摘した。

 プロレス界のカリスマの離脱に加え、元3冠ヘビー級王者の秋山らが来年の所属選手契約をしないことを会社側に伝えていることも判明。この日の試合後、秋山は「例年通りの契約はしないということ」と退団を示唆。現GHCタッグ王者の潮崎も「12月中に契約の交渉はします」と話すにとどめた。そのほかにも元GHCジュニア王者の鈴木鼓太郎(34)、金丸義信(36)、青木篤志(35)らも退団が濃厚。田上社長は「(秋山らは)今年いっぱいの契約にしてほしいと言ってきた。交渉中です」と慰留しているが、主力6人が離脱となれば、所属選手はわずか14人となる。新たなプロレスを追求して00年に航海に旅立った箱舟はもはや、沈没寸前だ。

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