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辰吉2世が新人王 フェザー級の京口竜人

[ 2012年1月2日 08:00 ]

 ボクシングの元世界バンタム級王者、辰吉丈一郎をほうふつさせる闘いぶりから「辰吉2世」の呼び声が高い21歳の京口竜人(大阪帝拳)が全日本新人王決勝戦のフェザー級を制した。

 試合終了まで残り2秒の5回2分58秒、左フックで千波丈二(勝又)にTKO勝ち。予想以上の苦戦に「こんなところでつまずいていては上に行けない」と端正な顔をしかめたが、随所でセンスが光った。

 相手の攻撃を見切る距離感の良さ、パンチを当てるタイミングには天性のものがある。序盤は千波をあざ笑うかのように左ジャブを浴びせた。世界ボクシング協会(WBA)スーパーバンタム級の前王者、下田昭文(帝拳)も「僕は好きなスタイル。センスありますよ」と将来性を見込む。

 課題は3回以降に出た。10月末に右拳を痛めて練習不足だった影響から足が止まる。接近戦でペースを取り戻せず、最後はダウン寸前。場内が沸いた起死回生のKO決着に「最後はたまたま。問題は気持ちとスタミナ」と反省しきりだ。

 父の指導で5歳から空手を始め、中学2年で大阪帝拳に入門。辰吉の長男、寿希也さんと一緒に練習するうちに辰吉自身とも親しくなり、今では「ジョーちゃん」と呼ぶ。ジャブなど技術面の助言も受けることもある。

 辰吉2世という周囲の声に「まだ全然です」と頭をかくが、偉大な先輩を見つめる視線は熱い。「俺はジョーちゃんをライバルやと思っている。いつかは超えたい。ほんまの辰吉2世になって、京口1世と呼ばれたい」と志は高い。

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2012年1月2日のニュース