粟生、来年3月にボスキエロと“完全決着”戦
統一戦の前に完全決着だ。WBC世界スーパーフェザー級王者・粟生隆寛(27)とWBC世界バンタム級王者・山中慎介(29=ともに帝拳)が1日、都内で始動した。11月6日のデビス・ボスキエロ(イタリア)戦は2―1の判定による薄氷防衛だった粟生は、来年3月の再戦を熱望。WBA王者・内山高志(32=ワタナベ)との統一戦前に完全決着する。
約1カ月の休養をとって始動した粟生は、ハワイ旅行で健康的に日焼けしていたが、心のもやもやは晴れていなかった。
「前回は相手に合わせる悪い癖が出た。やっぱり世界は甘くない」。ボスキエロ戦は、予想外の前進に戸惑った。「今まではやらなかったけど、次からはしっかり研究したい」。世界戦6戦、2階級を制覇した男が「研究はしない」というポリシーの変更まで明かすほどだった。
「ボスキエロ戦直後から、もう一回と思っていた。自分から(会長に)言おうと思っていた」という再戦。帝拳ジム・本田明彦会長も「多分、再戦になる」と粟生の熱意を尊重する意向だ。来年3月、山中とのダブル世界戦が有力日程だが、粟生が完全決着にこだわるのは、その先の統一戦を見据えているからだ。
内山との統一戦は以前から希望していたが「前回の内容じゃ言えない。次回は納得できる試合にしないと」と話す。「あっちももやもやしていると思う」。本格王者同士の激突は「盛り上がると思う」だけに、すっきりした形で統一戦を迎えたい気持ちは強い。
ボスキエロ戦を観戦した内山に対抗し、粟生も大みそかの内山と暫定王者ホルヘ・ソリス(メキシコ)との統一戦(横浜文化体育館)を観戦する予定だ。「終わったことは仕方ない。切り替えてやりたい」。始動の日、まさに再出発を誓った粟生は、完全決着を踏み台に統一戦へ本格的に動き始めた。
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