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興毅 世界6戦目で初!故郷・大阪でKO劇復活

[ 2011年5月8日 06:00 ]

3R、ダニエル・ディアス(右)の顔面に左をヒットさせる亀田興毅

WBA世界バンタム級タイトルマッチ

(5月7日 大阪府立体育会館)
 WBA世界バンタム級王者・亀田興毅(24=亀田)が、同級14位のダニエル・ディアス(27=ニカラグア)を11回終了TKOで下し、初防衛に成功した。

 8回にダウンを奪ってから優位に立ち、11回に猛攻。ディアスが12回開始ゴングに応じられなかった。故郷・大阪での初めての世界戦で原点回帰を期した興毅は、6戦目の世界戦で初のKO勝利を収めた。

 8000観衆のボルテージが最高潮に達した10回、興毅の右アッパーがディアスのあごを打ち砕いた。決着は11回終了。だが、その一撃で勝負は決まった。世界戦ではKOと無縁だった男が、挑戦者を病院送りにするKO劇を演じ「KO決着をつけられたことは素直にうれしい」とはにかんだ。

 体格差のある相手に教科書通りのボクシングを展開した。序盤、リーチの長いディアスの懐に入り込むとボディーを執ように攻めた。中盤以降、疲れが見えガードが下がったディアスの顔面を狙うと面白いようにパンチが当たる。それでも打ち合いを挑んだディアスに「世界中のボクサーが世界戦のリングに上がるのを夢見てやってるから」と昔の自分と重ね合わせるように敬意を表した。

 「大阪での世界戦は小さい頃からの夢だった」。故郷・大阪を初防衛戦の舞台に選んだ裏には、KO勝ちを重ねていた「昔の勢いを取り戻したい」という気持ちがあった。ガウンの背中に刻んだ「復興」の2文字には被災地への思いと、自分自身の復活を意味するKOへの強い願いを込めた。

 長谷川穂積をKOしたフェルナンド・モンティエル(32=メキシコ)を育てた兄でトレーナーのエドアルド・モンティエル氏(35)を招いた。KO率69%の3階級制覇王者の極意の吸収も狙った。全ての行動にKOへのこだわりが表れた。

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