球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

球宴勝利リーグにWS開幕権 労使が喜んだ廃止

[ 2016年12月4日 05:30 ]

 今後5年間、2021年まで労使間の“平和条約”になる新労使協定が11月30日に合意した。

 FA選手と契約した球団が、その選手の旧球団に譲るドラフト順位から1巡目指名が外された。多くの球団が有望新人獲得優先で、FA獲得を控えてきたが、これでFA市場に多少の活気が戻るかもしれない。限度額以上の選手年俸総額を払った球団に課される“課徴金”も、これまでの1億8600万ドル(約212億円)の限度額が今後は1億9500万ドルから2億1000万ドル(約222億~240億円)までに1年ごとに引き上げられる。選手年俸アップが期待できるが、高い税率に耐えられる金満球団と金欠球団の格差が広がりそうだ。選手側が望んだ試合数削減はノー、代わりに開幕日を4日前倒しにした。183日間に162試合が187日間となり、移動日前の試合をデーゲームにして負担を軽減する。

 一部メディアが「大谷翔平の大リーグ入りが遅くなる」と落胆したのが、海外FAの契約金額の上限額設定だ。25歳未満の海外FA獲得の場合、契約額を475万ドルから575万ドル(約5億4200万円~6億5600万円)までに限定した。「大谷は25歳をすぎる3年後まで待つだろう」。だが、ポスティング移籍はFA移籍ではない。適用除外ではなかろうか?

 オールスター戦勝利のリーグ球団にワールドシリーズの開幕権を与える方式は廃止。シーズン成績上位球団が開幕権を持つ方式に戻る。02年の球宴が引き分けになり、テレビ局が「真剣勝負を」と圧力をかけワールドシリーズに絡めた。「見本市の試合に無理な意味づけ」と不評だったが、「まともになった」と労使双方が喜んだ。 (野次馬)

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