球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

選手会が要求8試合減…労使の衝突も

[ 2016年7月24日 05:30 ]

 現行の労使協約は12月1日(日本時間2日)に失効する。新協約合意に向けてオーナー側、選手会ともに交渉準備を進めているが、その主要争点をニューズデー紙が報じた。試合数削減が選手会の最大の狙い、という。現在の日程は、183日間に21日の休日を設け162試合を消化する。超過密日程は、時にかなりの雨でも何時間も待って試合を強行消化することでも実感できるはず。「疲れ切った選手は疲労回復のため薬物使用の誘惑にかられかねない」と同紙は指摘する。それほど厳しい日程というのだ。

 選手会の要求は8試合減の154試合。しかし、ロブ・マンフレッド・コミッショナーは、にべもない。「休日を増やす方法はありそうだが、試合数減は現行の経営構造を変えるということになる。選手の働く日数が減れば当然、年俸も減ることになる」。コミッショナーに就任する以前のマンフレッド氏は大リーグ機構(MLB)の労務担当理事で選手会との交渉役だった。選手会にとって手ごわいのである。トニー・クラーク選手会専務理事は断言した。「試合数を少なくすれは1試合の価値が上がる。断っておくが、私は入場料金の値上げを、と言うのではない。働きやすい環境で選手が高度なパフォーマンスを提供するのだから年俸削減の話など絶対に認めない」。

 メディアを介した間接的なジャブの出し合いだが両者の溝は深い。60年代初めまで実施されていた158試合…という案もあるが力勝負のお国柄で双方が妥協を嫌う。労使対立でのスト騒動はワールドシリーズを中止した94年が最後。平和な22年間で大リーグは大いに潤った。8試合削減で労使の衝突が起こるだろうか。(野次馬)

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