球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

カブスのド派手“新居”は凶と出るか、吉と出るか

[ 2016年4月17日 05:30 ]

 カブスのホーム球場リグリー・フィールドの新クラブハウスが、先週のホーム開幕試合からオープンした。西部地区遠征を5勝1敗で終え、“新居”に入った選手たちは驚いた。「ナイトクラブだ」、「ダンスホール」。あまりの豪華さに「何か野球にそぐわない…」との辛口コラムも出た。

 確かにビデオ・ニュースを見ると派手な内装で川崎宗則が目を丸くしてスマホ撮影に走り回っていた。築102年の球場に、クラブハウス、監督室、トレーニングルームなどが詰め込まれていた昨季までは狭い古民家住まい、それが一転超ド派手な億ションだ。

 改修の規模が凄い。球場内のリフォームを諦め駐車場の下を掘って地下に大スペースをつくり、球場内の諸施設を移した。トレーニング場は大リーグ一の広さ、ビデオ室、サウナ、ラウンジ、食堂、記者室の通信インフラ、すべて最新で超モダン。三塁側のカブス・ベンチから28段の階段を下り歴代選手の写真が飾られた通路を歩いて3分、円形のクラブハウスに到着する。広さはこれまでの3倍で2800平方メートル、ヤンキースに次ぐ大リーグ2番目の広さ。「卓球台と各種ゲーム機、壁にバスケットボールのリングをつけてほしい」とは悪乗りの選手。

 辛口コラムは「野球のクラブハウスがラスベガスの娯楽場と同じでは具合が悪い」と続く。ジョー・マドン監督は「チームがつまずけばこの豪華さが問題にされる。選手もそれは承知のはず。私は選手のプロ意識を信じている」。

 多くのメディアが、カブスをワールドシリーズ制覇の本命に挙げる。実現すれば108年ぶりだ。新クラブハウスがシャンパン・ファイトの会場になるか、大娯楽場で終わるのか、お楽しみの戦いだ。 (野次馬)

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