球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

「かみタバコ禁止」全球場に広がるのは時間の問題

[ 2016年4月10日 05:30 ]

 先週、ヤンキース・ホーム開幕2試合目から突然、新条例が施行された。ニューヨーク市長が「市内の入場料金を取るスポーツ施設、娯楽施設でのスモークレス・タバコ(煙無しタバコ=かみタバコ)を禁止する」との条例に署名し、その日のナイターから「ノー」となった。タバコの葉を口に含む“かみタバコ”は、カウボーイと大リーガーの必需品だが、がんの危険性で大リーグ機構は長年警告を発してきた。

 ヤ軍はキャンプで「ニコチンの代用品が必要な者はトレーナーに申し出ること。ガム、ドロップを支給する」と告知を出しこの日に備えていた。

 「コンビニで売っている合法商品をなぜ禁止するのか。この国はどうなっているのだ」、「罰金はいくらだ」、「誰が見張るのか」。そんなクラブハウス内の声が「俺はタバコをやらないけれど」という選手から記者たちに伝えられたそうだ。大リーガー750人の25%190人程度がかみタバコ愛用者という。ニューヨーク市の罰則は報じられていないが、一足先に禁止を決めたサンフランシスコ市では、初違反は100ドル、年内2度目が200ドル、さらに年内に違反を重ねるごとに500ドルの罰金。今季は30の大リーグ試合球場のうち7球場が禁止になるが、全球場に広がるのは時間の問題だ。大リーガーのまねをする「子供たちをタバコの害から守ろう」という全米規模の市民運動による条例制定、選手に勝ち目はない。

 カルロス・ベルトラン外野手はタバコに無縁で気楽なもの。タバコ好きにアドバイスした。「隠れてやれば捕まらないはずだが、球場内では難しい。なにしろビデオ判定用のカメラがあらゆるところに設置され監視されているからな」。(野次馬)

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