球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

記者より情報通!?政治家の野球発言に注目

[ 2015年12月20日 05:30 ]

 政治家の野球に関する発言はウケ狙いだが、メディアは反応する。大リーグ機構(MLB)のピート・ローズ氏(74)永久追放解除要請拒否に反発したドナルド・トランプ氏の「バカげた結論、ローズを殿堂に入れろ」とのコメントを叩いた。

 殿堂入り資格を決めるのはMLBではなく殿堂の委員会。ローズ氏が選手引退後5年を迎え殿堂入り候補になる寸前の91年、委員会は「永久追放選手は殿堂入り候補から除外」と締め出した。共和党の大統領候補者争いで移民、宗教に関わる刺激的発言で人気を取るトランプ氏を「無知で的外れ」と斬り捨てた。ローズ氏は3代前のバート・ジアマッティ・コミッショナーにより89年に追放されたが、実はその前のピーター・ユベロス・コミッショナーからも賭博癖を注意されていたのが新たに報じられた。ローズ氏は今も野球を含む合法ギャンブルを続ける。“中毒”も疑われ、MLBの決定は当然だ。ローズ氏は熱心なトランプ支持者、トランプ氏のMLB非難コメントは「ローズ氏への返礼か」と多くのコラムが辛辣(しんらつ)だった。

 もう一つが共和党のミッチ・マコーネル上院院内総務(日本だと党首に近い重鎮)の「ナショナルズは早くジョナサン・パぺルボンを放出すべき。ベンチ内でMVP(ブライス・ハーパー)に暴力を振るう選手は不要」とのファン同感のコメント。スポーツ専門局ESPN入手の文書ではパペルボンは17球団に移籍拒否権を持つ。移籍可能は12球団だが、高額年俸の上、問題を起こす抑え投手では獲りそうもない堅実な球団ばかり。

 トレード拒否リストは秘密だから全球団名の報道は特ダネだ。政治家の野球コメントは人気取りにはならないが、記者を走らせる刺激剤にはなったようだ。 (野次馬)

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