球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

札付きパベルボンに悩まされ続けるナショナルズ

[ 2015年10月4日 05:30 ]

 今季最も期待を裏切ったチームがナショナルズだ。開幕前はワールドシリーズ制覇の大本命。それが地区優勝はおろかワイルドカード争いからも脱落した。そしてメディアとファンの猛非難を浴びる騒動が先週起こった。9月27日のフィリーズ戦の8回、凡打でベンチに戻ったブライス・ハーパー外野手(22)に抑えのジョナサン・パペルボン投手(34)が「全力で走れ」と叫び飛び掛かった。選手、コーチが2人を引き離したが、テレビ映像、写真が瞬く間にネット上に駆け巡り、「今季最悪の醜態。パペルボンとマット・ウィリアムズ監督は来季ナ軍から消えなければおかしい」とメディアとファンからの人事宣告。

 パペルボンは札付きだ。フィリーズにいた昨年はブーイングした地元ファンに、淫らなジェスチャーをして7試合の出場停止。ナ軍は7月末に首位奪回のためこの札付きを獲得したが、7セーブで目立った効果はなし。実は前のオリオールズ戦でパペルボンは本塁打された打者に2度にわたって頭部を狙って投げ、3試合の出場停止処分を受けて異議申し立て中だった。ハーパーが「オ軍の復讐(ふくしゅう)で俺が狙われる」と言っていたのも札付き男が切れる伏線だった。お粗末なのはウィリアムズ監督。現場にいて何もせず、4―4の9回にパペルボンを投げさせ、5失点して敗戦。今季MVP有力候補の自軍の主砲に暴力を振るった投手の登板理由を監督は「クローザーだから」。記者たちはあぜんとした。

 球団はパペルボンに3試合出場停止の異議申し立てを取り下げさせ、4試合出場停止処分とした。戦力十分のチームだから監督候補は殺到だろうが問題は札付き投手を引き取る球団探し。来季年俸約13億円のうちかなりの金額負担の覚悟が必要だ。 (野次馬)

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