球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

メッツ PSより難しいセスペデスの来季交渉

[ 2015年9月20日 05:30 ]

 メッツ対ヤンキースの交流戦はともにポストシーズンに絡む大一番だ。ヤ軍は2年連続でポストシーズンに進出できていないが、苦戦しながらも首位ブルージェイズを追う。6年連続負け越し中のメ軍は、勝率5割維持に必死の状態をタイガースからヨエニス・セスペデス外野手(29)の獲得で一気に混戦を抜け出した。7月31日、ウエーバーを経ないトレード最終日深夜のセスペデス獲得を「真夏の夜の究極のロマンス」と評したニューヨーク・タイムズ紙は、「これほどチームを激変させた移籍劇は球史でも珍しい」と称賛した。

 7月31日、メッツは53勝50敗、ナ・リーグ東地区でナショナルズから2ゲーム差の2位。セスペデスが加わった8月1日からは31勝13敗でナ軍に9ゲーム差つけての首位。セスペデスはタイガースで102試合18本塁打、61打点が、メ軍に移って44試合で17本塁打、42打点。いかにメ軍に活を入れたかが分かる。セスペデスは「メッツは家族のようだ」という。これまでのセスペデスは補強用交換要員の切り札にされてきたからだ。

 12年、アスレチックスが4年総額3600万ドル(約43億円)のキューバ亡命選手史上最高額でセスペデスと契約した。ア軍は14年に主戦の投手、外野手獲得でレッドソックスに放出、レ軍も1年で先発投手、若手と交換でタイガースに放出。そしてメッツへの移籍。チームを転々とする間、セスペデスの年俸は日割りでそれぞれの球団が払い、メッツが払う契約最終年の残り負担年俸は4億円ほど。この安さもメ軍が褒められた理由だ。

 しかし、メッツには新たな問題も。「セスペデスを残せ」とのファンの圧力。「年俸20億円超の長期契約になり、メ軍には大問題。交渉はポストシーズン試合より難しそうだ」と野球メディアは楽しんでいる。 (野次馬)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る