球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

レッドソックス新GM選考 MLBの「顔を立てる」のか!?

[ 2015年8月23日 05:30 ]

 今季もレッドソックスはア・リーグ東地区最下位が決定的。ここ4年でワールドシリーズ制覇1回、最下位3回だ。フロント大改造は当然で、最近流行の経営陣と現場トップのGMとを結ぶ新ポスト、編成本部長にタイガースGMを解任され2週間のデービッド・ドンブロウスキー氏を迎えた。マーリンズ、タイガースのGM歴を持つ同氏は両球団で計6回プレーオフに進出、ワールドシリーズには3度出て1度勝利した。この戦績からタ軍の解任と同時に「スーパースターGMのFA、獲得競争必至」と報じられた。レ軍は素早く動き他球団を出し抜いた。

 当惑したのは大リーグ機構(MLB)だ。ロブ・マンフレッド・コミッショナーが「黒人、ヒスパニック系、女性などマイノリティーの人たちをフロント管理職部門に採用すべき。採用候補者には必ずこの人たちを含めるように」とガイドラインを示したのはレ軍がドンブロウスキー氏と契約する5日前。監督採用でも同じ指令があり、球団は必ずマイノリティーの候補者と面接してMLBの意向に沿うのが通例だ。ところがレ軍のジョン・ヘンリー・オーナーは、ドンブロウスキー氏以外は考えなかった、と明言した。「私がマーリンズのオーナーのとき(レ軍を買収するためのつなぎで3年間所有)デービッドはGM、能力は分かっていた」

 レ軍は反マンフレッド・コミッショナー球団のリーダー格だが、これほど露骨にMLBのガイドラインを無視したのは珍しい。「レ軍は規則違反では」とのメディアの質問にMLB広報はしどろもどろ。レ軍のベン・チェリントンGMは、突然の新上司登場に不満で辞任した。後任探しが控えているが、新GM選考でマイノリティー候補者を含めてレ軍がMLBの「顔を立てる」のか、注目だ。 (野次馬)

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