球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

トレード成功ブ軍VS焦るヤ軍の大一番が面白い

[ 2015年8月16日 05:30 ]

 ア・リーグ東地区は大勝負の第1幕、ヤンキース対ブルージェイズの対決だ。7月末のウエーバーを経ないトレード期限終了間際、ブ軍はデービッド・プライス投手とトロイ・トロウィツキー遊撃手の大物ベテランを獲得し、球界を驚かせた。この大型トレードが的中し、ブ軍はヤ軍との8ゲーム差を一気に縮め、2週間で首位(12日)を奪った。快進撃で注目されたのはブ軍のアレックス・アンソポウロスGM。ブ軍生え抜きフロントでGM就任5年目になる。

 「去年のワールドシリーズ、勝ったジャイアンツも相手のロイヤルズもワイルドカードで勝ち上がったチームだ。ワイルドカード枠が2チームとなり、ポストシーズン進出が狙いやすくなった。東地区は混戦、ヤ軍との残り試合も多く地区優勝も狙える。それがだめでも、ワイルドカードなら望みは十分。それでトレードに踏み切った」とアンソポウロスGM。ブ軍は92、93年のワールドシリーズ連覇以降21年間ポストシーズンに進出していない。これは大リーグのワースト記録。GMも6年契約の最終年、勝負しやすかったのは確かだ。

 ヤ軍のハル・スタインブレナー共同オーナーは「故障者を出しながら首位をキープしていた。我々は若手を育成して常勝チームを目指す。若手放出のトレードに興味はなかった」。だが、プライス、トロウィツキーこそヤ軍が必要な戦力と書き続けたニューヨーク各紙は「スター獲得で勝つのがヤ軍、ワールドシリーズに5年も出ていないのに気取るな」と焦り気味。ブ軍は「この3連戦に負けても、ヤ軍とまだ7試合ある」と9月の2幕、3幕に目を据える。「勝利の女神は前髪をつかめ」という。素早く前髪をつかんだブ軍、逃したヤ軍との見立て。面白くなった。 (野次馬)

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