球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

マーリンズも乗った!?監督人事のトレンド・コース

[ 2015年5月24日 05:30 ]

 マーリンズ新監督にダン・ジェニングズGMが異動して就任した。プロのユニホームを一度も着ていないスカウト出身の叩き上げだ。チーム成績16勝22敗の時点で監督交代を決めたのは、オーナーのジェフリー・ローリア氏。スター選手を売り飛ばす、収益の少ない球団の補強費にと支給される収益分配金を自分の財布に入れる…。そんな問題経営で悪評高い人物だ。エクスポズ(現ナショナルズ)を含めオーナー歴17年間の監督数は10人。過去9人は平均在籍期間2年弱の“監督の天敵”でもある。

 「またか」の監督交代だが、目に付いたのがマイナーで監督経験を積み大リーグ監督に昇格する伝統コースが消えつつある、との指摘だった。選手引退後フロント入りし育成部門でデータ分析技術を身につけ、大リーグ監督になる新コース。カージナルス(マシーニー監督)ホワイトソックス(ベンチュラ監督)など4球団の監督がこれ。引退後すぐ大リーグのコーチになり監督昇格は5球団。「大リーグ監督には監督経験必要なし」がトレンドという。

 マイナーで11年監督修業したメッツのテリー・コリンズ監督が現状を説明した。「今のマイナーは、練習も試合のプレーも選手の動きは育成部が決める。監督はそれを守るのが仕事。これでは大リーグ監督候補に挙げられるのさえ難しい」。マーリンズの監督人事もそんな時代の流れなのか。03年、ローリア氏は16勝22敗時点で72歳のジャック・マッキオン氏を監督に招きワールドシリーズに勝った。「マッキオンは数球団で監督し、GMでも実績ある古つわもの。今回はその再現を夢想したオーナーの幻想」とメディアは切り捨てる。悪評オーナーはトレンド・コースを採用しても叩かれる。 (野次馬)

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