球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

ヤンキース愛染み込んだ「13文字」買い手つく?

[ 2015年3月15日 05:30 ]

 大リーグに関わる物品は高値で売り買いされる。国際的な競売会社サザビーズは、08年シーズンを最後に取り壊された旧ヤンキースタジアムの外壁に付けられていた球場名13文字の「看板」をオークションにかけると発表した。売り主はヤ軍OBの殿堂入り強打者レジー・ジャクソン氏だ。

 ジャクソン氏は球場が取り壊される際、自身が使用したロッカーと、77年のワールドシリーズ第6戦で3打席連続本塁打を放ち「ミスター・オクトーバー」の称号を得た3発目を打ち込んだ中堅外野席を記念に買い込んだ。さらにもう「一品」入手していたのが、1文字が高さ、幅とも3メートル近くもある「YANKEE STADIUM」の13文字の看板だった。看板は76年に旧球場が大改装されたときに外壁に取り付けられ、ファンに親しまれてきた。32年間、風雨にさらされ古色を帯びたアクリル樹脂をアルミで覆った看板を、ジャクソン氏は倉庫に保管してきたが、「若い世代がこのヤンキースとニューヨーク市の歴史的アイコン=聖像を保管して楽しんでくれたらうれしい」と売却をサザビーズに託した。

 ジャクソン氏の購入時の値は明らかにされていないが、サザビーズの予想する落札価格は30万~60万ドル(約3600万~7300万円)。「N」と「Y」だけをマンハッタンの会社ウインドーに展示し、競売は4月1日(日本時間2日)。ただし、1文字ずつバラ売りはせずセット販売だ。メディアは巨大すぎて講堂や体育館並みの部屋がなければ飾れない、庭に展示するのも妙だし、買い手は限られそうだと予想している。熱烈なヤンキースファン、あるいは物好きな富豪が競り上げてくれるかどうか。 (野次馬)

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