球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

片足打席に残す規則 レ軍オルティス修正間に合うか

[ 2015年3月8日 05:30 ]

 試合のスピードアップ。この掛け声の下に攻守交代時間などに「時間制限」を設けた大リーグ機構(MLB)だが、戸惑う選手は多い。打者が悩むのが、打席に入ったら「片足は常に打席内にとどめておくこと」の規則だ。ファウル、暴投などで両足が出るのは認めるが、打者が意図的に打席を外すと、500ドル(約6万円)の罰金だ。

 「これでは罰金でカネがなくなってしまう」と嘆くのはレッドソックスの指名打者オルティス。「打席には考えをまとめて入る。投手が何を投げてくるか。次の球は何か、などと。そもそも投手がサインにうなずかないから、打席を外して考えてきた。それが駄目だとリズムが狂う」。オルティスは得点打が期待される勝負師、警戒する投手との心理戦はなくなるかもしれない。

 投手もイニング間や投手交代時間が2分25秒以内に制限されるが、12年サイ・ヤング賞右腕ディッキー(ブルージェイズ)は短縮大歓迎。「打者に考える時間を与えないのがいい。投球間隔の短い私にはさらに有利だ。カノ(マリナーズ)やオルティスのような打席に入るまでのルーティン儀式の長い打者は悩みのシーズンだろう」

 オープン戦では今のところ目立ったトラブルはない。平均試合時間が過去最長の3時間2分になった昨季の反省から、MLBと選手会が合同で決めた規則。選手は不平を言う前に、慣れるしかない。オルティスは打席に入るたびに「片足は打席に残せ、片足は打席に残せ」とつぶやいているそうだ。年俸1600万ドル(約19億2000万円)だから、罰金より習慣の矯正だ。罰金の施行は5月1日(日本時間2日)から、片足の修正、間に合うか。 (野次馬)

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