球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

AロッドVSヤ軍 7億円本塁打ボーナスの行方は?

[ 2015年2月22日 05:30 ]

 薬物規定違反で昨季全試合出場停止処分を受けたヤンキースのアレックス・ロドリゲスが、ファンに向けて手書きの謝罪文を発表した。禁止薬物使用を否定しながら謝罪するのは今回で3度目だ。

 ファンはあきれ、ヤ軍も慎重姿勢から態度を変えた。ロドリゲスに「本塁打ボーナスは払わない」と通告した。10年契約の残り3年の合計年俸6100万ドル(約72億5900万円)は仕方ない。だが、本塁打ボーナスは10年契約とは別のマーケティング(販促)合意書、汚れたウソつき選手はPRに使えず支払い「ノー」と言うのだ。歴代5位の通算654本塁打のロドリゲスが、メイズ(660本)、ルース(714本)、アーロン(755本)と薬物疑惑のボンズ(762本)の本塁打記録に並ぶごとに600万ドル(約7億円)を払う約束のキャンセル。直近はあと6本に迫るメイズの記録だが、汚れた本塁打に商品価値はないと斬り捨てた。当然、ロドリゲスが調停委員会や法廷に持ち込むのも視野に入れての通告だ。

 ヤ軍には「追い風」が吹いていた。薬物違反でツール・ド・フランス7連覇を剥奪され、自転車競技から永久追放されたランス・アームストロングがスポンサーの保険会社から1000万ドル(約11億9000万円)のスポンサー契約金の返還を求められた裁判で負けた。米国郵政公社もスポンサー契約金の返還を求めて係争中。フェアプレーを前提に結んだ契約の裏切りが契約金返還命令の理由だ。ロドリゲスにもこれが当てはまるはず…。ヤ軍は「勝負」に出た。

 ロドリゲスとヤ軍の関係は既に破綻している。選手たちもそれは承知で、騒動を迷惑がるより面白がっているのだとか。ヤ軍のブラックコメディーの開幕だ。 (野次馬)

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