球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

カブス“移籍”に疑惑が残るマドン新監督の手腕は

[ 2014年11月9日 05:30 ]

 先日のジョー・マドン監督(60)のカブス監督就任会見はネット中継で見るだけでも楽しかった。会見は球場近くのバーで開かれた。しまシャツにジーパン姿の監督は「バーテンダー、皆にビールを出してくれ」とご機嫌の独演会だ。

 しかし、マドン監督を失ったレイズが疑う「タンパリング(事前交渉)」はどうなったのか。移籍の手際が良すぎるのだ。レイズのアンドリュー・フリードマン編成本部長がドジャースの編成部門の取締役に栄転移籍した。すかさずマドン監督には「編成本部長が代わった時の選択権は監督が持つ」との契約があると、代理人が公表し、マドン監督の“FA宣言”。すぐカブスはリック・レンテリア監督の解任を発表する。4日おいてのマドン監督の就任会見。FA宣言から10日でマドン監督は年俸185万ドル(約2億1300万円)から年俸500万ドル(約5億7500万円)の5年契約を手にした。

 レイズは大リーグ機構(MLB)に疑惑調査を申請したのか明言しない。MLBも沈黙し、カブスと監督代理人の疑惑否定で騒ぎは終了した。そもそもMLBがタンパリング調査をした例はないそうだ。レイズは年俸ランク25位以下の小球団だが、フリードマン―マドン体制の9年間で4度のプレーオフ進出を果たした。その2人を3週間で失った。まさに大魚(金持ち球団)が小魚(資金不足の球団)をのみ込む業界だ。

 マドン監督はデータ分析で守備シフトをする先駆者で「数学者」、巧みな采配で「魔術師」と呼ばれる。名高い“采配”は連敗中のロッカーにペンギンや6メートルの大蛇を持ち込み選手と遊ばせたこと。カブスでは子熊(カブ)を連れてきそう…とファンは期待しているそうだ。 (野次馬)

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