球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

敬遠は投げずに歩かせる?“時短新ルール”いかに

[ 2014年9月28日 05:30 ]

 長時間がお決まりのポストシーズンが始まるが、大リーグ機構(MLB)は来季から施行の試合スピードアップ新ルールを制定する委員会を立ち上げた。メンバーはロブ・マンフレッド次期コミッショナー、トニー・クラーク選手会専務理事に、メッツ、レッドソックスなど4球団の幹部たちだ。

 MLBがガイドラインを出して試合時間短縮を審判団、ユニホーム組に説き始めたのは20年近く前。さっぱり効果はなく、今季のレギュラーシーズンの平均試合時間は10日現在で3時間2分47秒に延びた。

 急に委員会だ、ルール制定だ、となったのはオーナーから声が上がったため。「92年、試合中継は世界で20~25チャンネルだった。今は500チャンネルにインターネットもある。スマホやタブレットで移動しながら情報とつながる時代に3時間試合はそぐわない。また、12歳の子供が深夜まで球場にいるはずがない。我々は将来のファンを逃している」(ジャイアンツ幹部)。経営者としての危機感だった。

 投手は12秒以内に投げる(規定にあるが投手も審判も無視してきた)、打者も投球の間は、片足だけはバッターボックス内にとどめることも強制されるだろう。投手交代以外のマウンド会議は45秒以内で1試合3度まで。救援投手の練習投球は8球から6球に減らし1分以内に完了するなどの規則化が予想されている。「公認野球規則」の定め通りの高めのストライクを取る…は選手会がどう出るか。さらに「敬遠は自動的に打者を歩かせ、投手に投げさせない」となるのでは、との説も。

 やりすぎとも思うが、ビデオ判定チャレンジ制も一気に決めた。野球では何だって起こるのだ。

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