球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

カブス3Aで復帰…改心マニー「劇薬」になれるか

[ 2014年6月1日 05:30 ]

 球界では時に首をかしげる人事が行われる。カブスのマニー・ラミレスとのマイナー契約もその一例だ。42歳の大トラブルメーカーを引退生活から引き出し、3Aの外野手兼打撃コーチに据えたのはセオ・エプスタイン編成担当取締役。ラミレスが暴走を続けたレッドソックス時代の7年間を共に過ごし、トレードで「追放」したGMだ。

 ラミレスは19年間の大リーグ生活で通算打率・312、555本塁打のスーパースターだが、下積み職員への暴力、サボタージュ、ホテルの部屋の破壊などトラブルの山。頂点が禁止薬物違反で50試合の出場停止、さらに2度目の違反で100試合停止途中に引退(短期間復帰)した。札付き人物を招いた理由をエプスタイン取締役は「マニーは最高の右打者だ。右打者の多いカブスのマイナー選手に彼の打撃術は貴重」と言い切る。

 エプスタイン取締役はカブスに移って3年目。86年ぶりにレ軍を世界一にした手腕を買われて迎えられたが、チームは最下位のまま。1世紀以上ワールドシリーズ勝利から離れている老舗を、契約満了の16年に優勝争いできるチームにするのがノルマ。目標達成に「劇薬使用」ということか。

 先週レ軍が開いた04年世界一10周年の式典に招待されたラミレスは「最高のファンのもとで俺は最高のプレーをしたが、ひどいこともやった。謝罪する。今は毎日教会に通っている。生まれ変わった」。選手時代の肩まで垂らしたドレッド・ヘアは、両サイドを刈り上げた髪形に変わっていた。謝罪とトラブルの繰り返しは「マニーはマニー」と言われ見放されていた。本拠地シカゴの有力紙は「愚かな賭けにすぎない」と厳しい見立てだ。 (野次馬)

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