球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

何でもビデオ調査…タ軍ハンターが痛烈批判

[ 2014年5月18日 05:30 ]

 ビデオで見て、何で騒ぎになるのだろう、と思った。12日のオリオールズ―タイガース戦で本塁打を打たれたオ軍のノリスが続くハンターの脇腹に死球。ハンターは一塁に歩きながら投手に何か言い、ノリスも言い返した。両軍の選手が集まったが、何事もなく終わった。ところが中継したアナウンサーも触れなかった3秒ほどのシーンが問題になった。

 ハンターとノリスの間に入ったポール・ナウエル審判員が興奮するハンターの頬を軽く叩いて、落ち着かせた。選手が審判員の身体に触れるのは退場処分の対象だ。審判員のこの行為はどうなのか、大リーグ機構(MLB)がビデオ調査するというのだ。ハンターは「MLBが調査に来ても何もしゃべらん」と言った。「彼はカッカしている俺を鎮めた。“トリー、おまえらしくないぞ”と言って。頬を叩かれて俺は我に返った。感謝している」。母親が子供をあやすような頬へのタッチまで問題にするMLB。「ビデオ調査はフィールド上で起こった全てを確認する調査規則によるもので、ハンターの事例に特定したものではない」とMLBは弁解じみたコメントを出した。

 今季からストライク、ボールの判定以外はすべてのプレーがビデオ確認できるシステム「チャレンジ」が誕生した。併殺プレーの守備者の足がベースに触れたかどうか、グラブの中で遊ぶボールを正確な捕球とみていいのか…など、正確さをそこまで求める必要があるのか、伝統を損なう、との問題提起がある。

 ハンターは機器に頼る球界官僚体制に痛烈な一言。「こんなことを調査する連中は人間ではなくロボットだ」。確かに、機器頼りの野球では何とも味気ない。 (野次馬)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る