球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

Aロッドと弁護団の低劣な悪あがき…もう、うんざり

[ 2013年12月1日 05:30 ]

 ヤンキースのアレックス・ロドリゲス(Aロッド)が薬物使用で大リーグ機構(MLB)から科せられた211試合出場停止の撤回を求めた審問は、10日前に終わった。Aロッドが「この審問は不公平」と証言を打ち切ったのだが、その後もAロッドと弁護団は大騒ぎを続けている。

 証言を止めたAロッドはラジオ局に直行し「魔女狩りの標的にされた」と訴えた。弁護団は連邦裁判所に「処分は不当」とMLBとバド・セリグ・コミッショナーを提訴した。球界の調停規則は、調停人が出した裁定にはMLBも選手も無条件で従うのが決まり。後は1月の裁定を待つだけなのに、Aロッド弁護団は「MLBの違法調査」と言い立てるのだ。

 MLBは薬物配給の診療所職員から通話記録や診察メモなどを買い集めた、と非難する。Aロッドが証拠隠滅で買い取ろうとしたのをMLBが出し抜いたのだから、負け惜しみだ。ワールドシリーズ中コミッショナーが「AロッドはAロイド(ステロイドを組み合わせた造語)」とプリントされたTシャツ姿のファンと並んだ写真を撮らせたのは世論操作のため、との言いがかり。極めつきがMLBの調査員が診療所職員を脅して「Aロッドが薬物を使用した」との宣誓書に署名させ、さらにその職員の雇った女性弁護士と不適切な関係を持って証拠を集めた、というのだ。

 もっとも弁護団側もMLB幹部たちの休日ゴルフでのAロッドに関わる私的な会話をキャディーから聞き出したと報じられたから、色仕掛けあり盗み聞きあり、まるで二流のスパイ小説。

 あまりの雑音に前コミッショナーのフェイ・ビンセント氏が一言。「裁定が出たら裁判でも覆らない。1月の裁定発表まで静かに待て」。球界のイメージダウンとなる低劣な騒動にあきれたのだろう。 (野次馬)

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