球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

どうなるドジャース監督が仕掛けた来季への“勝負”

[ 2013年10月27日 06:00 ]

 ワールドシリーズ中は全球団が人事や行事の発表を控える。ファンの関心を球界最高の試合からそらさないためだ。しかし、熱戦の水面下でもドジャースでは監督と球団首脳の厳しい駆け引きが続いている。

 シリーズ開始3日前の今季総括会見で今月末に3年契約が終了するドン・マッティングリー監督が複数年契約を要求した。「私は地区優勝し、カージナルスに負けたが、リーグ優勝決定戦まで進んだ。これで来季も指揮を執る権利を得たが、複数年契約でなければチームに戻らない可能性もある」

 来季の監督契約の選択権(オプション)は球団が持っている。選択権を行使しない場合は年俸140万ドル(約1億3600万円)の一部を違約金として払うのだが、これが全額になるらしい。さらにマッティングリー監督は条件アップにまで踏み込んだのだ。

 どの球団も契約交渉過程がメディアで報じられるのを嫌う。会見に同席していたGMは平静を装ったが、翌日の球団発表が記者たちを驚かせた。マッティングリー監督の親友で右腕とも言われるトレイ・ヒルマン・ベンチコーチ(元日本ハム監督)の解任だ。「球団の監督への“思い上がるな、残留させても来季1年”とのメッセージ人事」との解説も出た。ここで、ワールドシリーズが始まり、騒動は沈静化した。

 わずかに漏れてきたのが球団社長の「契約は履行する」とのコメント。「マッティングリー監督残留」の見出しは躍ったが、複数年契約になるかどうかはワールドシリーズ終了までお預け。球団首脳が監督手腕判断の材料を30勝42敗の前半戦にするか、42勝8敗のシーズン終盤にするかで決まる、とメディアは気楽な予想。監督の仕掛けた勝負、どうなるか。(野次馬)

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