球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

MLB勝てるか!?Aロッドに最強“悪魔の弁護団”

[ 2013年9月29日 06:00 ]

 プレーオフ進出を逃したヤンキースは、最終戦翌日の9月30日を複雑な思いで迎える。薬物使用で211試合出場停止処分を不服とするアレックス・ロドリゲス(Aロッド)の調停審問が始まるのだ。大リーグ機構(MLB)と選手会とで選んだフレデリック・ホロウィツ調停人にMLBは処分適正を訴え、Aロッドは「MLBとヤンキースの陰謀」と反論する構図。非公開の審問は5日間、裁定は12月と予想される。

 Aロッドの弁護団は腕利き弁護士のオールスターという。政財界人、セレブ、マフィアの大物らの裁判に関わった時給10万円クラスの弁護士たちで、大衆紙は「悪魔の弁護団」と呼んでいる。一般の米国人に好かれてはいないが、よく知られた顔ぶれらしい。ニューヨーク・タイムズ紙が顔写真に弁護経歴を添えて主な6人を紹介した。その中に国際的スキャンダルになったストロスカーン前国際通貨基金(IMF)専務理事の暴行未遂事件を起訴取り下げに持ち込んだ弁護士がいた。弁護団の費用は1カ月で1億円に近いのでは、ということだ。

 Aロッドは出場停止を受け入れるとその間の年俸32億円を失うばかりか、2017年まで契約が残る選手キャリアの幕引きにもなりかねない。

 一方のMLBはこの審問に球界浄化の将来を託す。薬物検査によらず証言と証拠物件で有罪とした処分は米国反ドーピング機関から「画期的」と激賞された。処分が支持されれば、さらに強力な薬物防止策の道が開く。ファンはAロッドを禁止薬物ステロイドにかけて「Aロイド」と呼ぶ。勝負は見えている、と思えるが、相手は「悪魔の弁護団」だから…。 (野次馬)

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