球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

反ボビー采配でVつかんだ「ヒゲ軍団」レッドソックス

[ 2013年9月22日 06:00 ]

 レッドソックスはア・リーグ東地区を独走し地区優勝を果たした。昨季はボビー・バレンタイン監督の自己宣伝采配に選手が反発して最下位。鮮やかな復活は、2年間ブルージェイズの監督をしていたジョン・ファレル前投手コーチを監督として呼び戻したのが大きい。

 手腕の“成果”がむさ苦しい「ヒゲ男軍団」の誕生、ベンチ入り選手のほとんどがヒゲ面だ。キャンプでマイク・ナポリ一塁手とジョニー・ゴームズ外野手がヒゲを伸ばした。開幕ダッシュ成功で縁起担ぎ仲間が増え、主将ダスティン・ペドロイア二塁手が加わり、流行は定まった。

 「ボビーが監督なら、禁止令だ。ヤンキースを見ろ、ヒゲ面はいない。あれこそが名門だ、と」。地元紙はそう伝え、「だがボストンは常にニューヨークに反発する。ファレル監督はチームと街の性格を承知していた」。

 ボストンは近郊に名門大学が多数ある古い都市で、自己軽視のユーモアが市民の持ち味。ワールドシリーズを制した07年、選手が「おバカ軍団」と自称し、団結したのを当時投手コーチのファレル監督は心得ていた。ヒゲは優等生ヤンキースに対抗するチームの気概の表れ。ファレル監督は放任した。今季の成功はアンチ・ボビー采配に尽きる、と言うのである。

 ところで、ボビーが最近話題に。9・11追悼ラジオ番組で「12年前のあの日、メッツ監督の私は選手を集め救援に没頭した。ヤンキースの連中は脱走兵だ。一人も姿を見なかった」。ヤ軍は激怒声明を出し、ファンもボビーを総叩き。「誤解した」とボビーはけろり。自己中心は相変わらずだから「ヒゲ男軍団」にも一言ありそうだ。放言が待ち遠しい。

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