球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

代理人会社に大学野球部…不法薬物の広がり明白に

[ 2013年8月11日 06:00 ]

 ヤンキースのアレックス・ロドリゲス(Aロッド)三塁手が不法薬物使用による211試合出場停止に異議申し立てをした。Aロッドと大リーグ機構(MLB)は、調停人にそれぞれの言い分を伝え裁決を委ねるが、結論は11月以降らしい。

 調停人のフレデリック・ホロウィツ氏は65歳、球界2年目の“新人”だ。ロサンゼルスの弁護士で40年にわたって労働問題の調停人として活動してきたドジャース・ファンという。野球メディアでは裁定の予想が始まった。Aロッドが主張する「潔白無罪」は無理。50試合出場停止の12人はドーピング検査なしで処分された初のケースだが、MLBが集めた不法薬物提供の診療所の電話やメールの記録、処方箋、請求書、メモなどの証拠の山に無条件降伏した。Aロッドに対する証拠は他選手以上のはず。ただ他選手との量刑の差の大きさを考慮して出場停止試合数を162試合程度に減刑するのでは、が大方の見立てだ。

 今度の薬物汚染スキャンダルで分かったのは不法薬物の広がりと根深さ。12人の有罪選手全員がある代理人会社の顧客か、以前顧客だった。中南米選手のスカウトと通訳担当の社員が顧客選手に薬物仲介をやっていた。

 もうひとつがマイアミ大野球部の疑惑。数人の職員の名が問題の診療所の書類に残されていた。今回の大量処分の直前に65試合出場停止となったライアン・ブラウンはマイアミ大の卒業生。Aロッドからの4億円の寄付で改装した大学の球場名はアレックス・ロドリゲス球場、全米大学体育協会も注視…と際限なし。

 一罰百戒、Aロッドに減刑必要なしと思うがどうだろう。 (野次馬)

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